OSAHIRO行政書士事務所
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ビザ申請|民泊許可届出|各種許認可
代表 / 行政書士:長賀部 博之
日本行政書士会連合会 第24192755号
所在地・アクセス 愛知県名古屋市千種区菊坂町1-7-1
東山線 池下駅 東改札2番出口 徒歩4分

特定技能ビザ申請の流れと必要書類

特定技能ビザ申請の流れと必要書類

人手不足の解消に向けて、即戦力となる外国人材を雇用できる「特定技能ビザ」の活用を検討する企業様が増えています。しかし、その申請手続きは非常に複雑で、用意する書類も多岐にわたるため、実務の進め方に悩まれる担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「特定技能(1号・2号)」ビザの申請方法、取得要件、必要書類、実務上の注意点を説明いたします。

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特定技能1号

特定技能1号ビザ(在留資格)の申請手続きは、採用する外国人材が現在どこに住んでいるか、どのような在留資格を有しているかによって主に以下の3つのケースに大別されます。

申請手続きの種類対象となる主なケース
① 在留資格変更許可申請日本国内に在留中の外国人(技能実習生、留学生など)を雇用する場合、または特定技能外国人が転職する場合
② 在留資格認定証明書交付申請(COE)海外に在住している外国人を日本に呼び寄せる場合
③ 在留期間更新許可申請既に特定技能で就労中の外国人の在留期間を延長する場合

ビザ申請手続きの流れ

在留資格変更許可申請:日本国内に在留している外国人を採用する場合

すでに留学や技能実習などで日本国内に在留している外国人を特定技能1号として雇用(他社からの転職を含む)する場合、手続きは在留資格の「在留資格変更許可申請」を行います。

【申請の流れと留意点】

ステップ 実務内容・手続き留意点
STEP 1:要件確認技能・日本語試験の合格、または技能実習2号の「良好修了」を確認します。【職種の一致に注意】
・ 技能実習時の職種と特定技能分野が異なる場合、日本語は免除されますが技能試験への合格が必要です。

・本人の税金等の未納がないかも事前に確認します。
STEP 2:契約締結日本人労働者と同等以上の報酬等を定め、本人が理解できる言語で雇用契約を締結します。【待遇の適正性】
・ 報酬から家賃や食費等を天引き・控除する場合は、実費相当額であることの書面合意と事前の明細提示が必要です。
STEP 3:計画策定10項目の義務的支援計画を策定し、事前ガイダンスの実施、健康診断を受診させます。【共生施策・最新様式】
・自治体が実施する地域の共生施策を反映した最新様式を使用します。

・健康診断個人票は申請前1年以内(国内)のものが有効です。
STEP 4:事前手続き協議会への加入手続きや市区町村への「協力確認書」の提出、分野独自の手続きを行います。【スケジュール管理】
・協議会の加入証明がないと入管申請ができません。

・加入には数週間を要するため、申請前に余裕を持って進めます。
STEP 5:入管申請必要書類一式を揃えて管轄の地方出入国在留管理局へ提出します。【2026年法改正】
・ 行政書士法の改正により、提出書類の代行作成は「行政書士」か「弁護士」のみ可能です。

・無資格者の作成代行は違法です。
STEP 6:就労開始許可後に手数料4,000円を支払い、新しい在留カードを受け取って就労を開始します。【事前就労の厳禁】
・変更許可が下りて新カードを実際に受領するまでは転職先での就労は一切認められません(不法就労になります)。

在留資格認定証明書交付申請|海外から新たに呼び寄せる場合

海外に在住している外国人を「特定技能1号」として新たに日本へ呼び寄せる場合、手続きは「在留資格認定証明書(COE)交付申請」を行います。

【申請の流れと留意点】

ステップ 実務内容・手続き留意点
STEP 1:内定・要件確認日本語・技能試験の合格、または帰国した技能実習2号の良好修了を確認し採用します。【送出国の事前手続きに注意】
・ベトナム(推薦者表の取得が必要)やタイ、カンボジアなどは、申請時に相手国政府の事前手続き証明書が必須です。
STEP 2:契約・支援計画日本人労働者と同等以上の待遇で雇用契約を締結し、支援計画を策定します。【共生協力・最新様式】
・地域の共生施策を踏まえた最新様式を使用し、事前に「協力確認書」を事業所所在地の市区町村へ提出する必要があります。
STEP 3:ガイダンス・健診本人が理解できる言語でWEB等の事前ガイダンスを行い、現地で健康診断を受診させます。【健康診断書の期限】
・海外での健康診断個人票は、入管への申請日から遡って「3ヶ月以内」に受診されたもののみ有効です。
STEP 4:入管へCOE申請企業の決算書や納税・社保完納証明等を揃え、受入れ企業が管轄の地方入管へCOE交付申請をします。【2026年法改正】
・行政書士法の改正により、提出書類の代行作成は国家資格を持つ「行政書士」か「弁護士」のみに厳格に制限されています。
STEP 5:ビザ(査証)申請COEが交付されたら原本を海外の本人へ郵送し、本人が現地の日本大使館等でビザを申請します。【3ヶ月以内の入国】
・COEの有効期限は交付から3ヶ月です。

・ビザ発給後、速やかにこの期限内に日本へ入国する必要があります。
STEP 6:入国・就労開始来日後に住民登録、口座開設、生活オリエンテーション等を行い就労を開始します。【初期生活立ち上げ支援】
・日本での生活基盤がないため、住居確保や携帯契約、公共手続きへの同行など10項目の義務的支援の確実な履行が必要です。

在留期間更新許可申請|在留期限を延長する場合

自社で現在雇用している特定技能外国人が、在留期限を迎えた後も引き続き同じ企業で働くために在留期間を延長する手続きが「在留期間更新許可申請」です。

【申請の流れと留意点】

ステップ実務内容・手続き留意点
STEP 1:満了時期の確認在留期限の「3ヶ月前」から更新申請が可能です。標準処理期間(約2週間〜1ヶ月)を考慮し、余裕を持って準備を始めます。【5年の上限管理】
・特定技能1号の通算在留期間は「上限5年」です。

・中途採用(転職者)の場合、前職の就労期間もこの5年の中に合算されるため、残り期間を必ず正確に逆算してください。
STEP 2:公租公課の確認外国人本人の住民税、健康保険、年金などの公的義務の適正な履行状況を確認します。【納期限の遅延履歴は厳禁】
・ 1日でも支払遅延(納期限を過ぎてからの納付)や未納がある場合、更新申請は「不許可」となるリスクが極めて高くなります。

・必ず事前に納付状況の整備を指導してください。
STEP 3:書類準備・省略申請書や更新用の雇用契約書類、健診個人票、本人の課税・納税証明書等を用意します。【書類省略規定の適用】
・前回の申請から企業側の役員や登記事項等に変更がない場合、登記事項証明書や役員の住民票などの企業側書類は大幅に提出を省略(不要に)できます。
STEP 4:入管への申請書類一式を揃えて、管轄の地方出入国在留管理局の窓口またはオンラインシステムで申請します。【2026年法改正に注意】
・ 令和8年1月施行の改正行政書士法により、提出書類の代行作成は国家資格を持つ「行政書士」か「弁護士」のみに厳しく制限されています。

・無資格の支援機関等による代行作成は違法です。
STEP 5:許可・カード受領許可が下りたら、手数料を納付し、新しい在留カードを受領して手続き完了です。【指定書の同時更新】
・更新許可に伴い、パスポートに添付されている「指定書」も新しく発行されます。

・自社の企業名や新しい在留期限が適正に記載されているか、受領時に必ずその場で確認してください。

特定技能1号申請・更新に必要な主要書類

特定技能1号の申請・更新書類は、本人(納税証明や試験合格証等)と受入れ企業(登記簿や納税・社保の完納証明等)に分かれます。

最大の留意点は、本人・企業ともに税金や社会保険料などの「公租公課」に1日でも未納や支払遅延がある場合、不許可リスクが極めて高くなる点です。また、公的書類は発行から3ヶ月以内が有効ですが、同一年度内の申請であれば一部書類を省略できます。

外国人本人に関する提出書類

外国人本人の身分、健康状態、日本語・技能レベル、および過去の公租公課(税金、社会保険、年金)の適正な支払い状況を証明する書類です。

提出書類名新規取得時期間更新時参考様式・番号 / 取得先
在留資格関係申請書一式必須必須・出入国在留管理庁ホームページよりダウンロード(※最新の様式を使用)
顔写真(縦4cm×横3cm)必須必須・申請前3ヶ月以内に撮影、申請書に貼付
パスポート・在留カードの写し必須必須・窓口にて原本提示、またはオンライン申請システムにて登録
特定技能外国人の履歴書必須不要・参考様式第1-2号
技能試験および日本語試験の合格証明書必須不要・各試験運営団体が発行(技能実習2号良好修了者は、代わりに技能実習計画書等の修了証明書類を添付して提出)
健康診断個人票 & 受診者申告書必須必須・参考様式第1-3号 / 参考様式第1-3号別紙(受診医療機関が発行)
住民税の課税証明書・納税証明書必須必須・1年間の所得と全ての納期限の経過が証明された最新のもの(市区町村窓口で取得)
給与所得の源泉徴収票の写し必要時必須・転職や国内移行、更新前の勤務先(自社)が発行したもの
国民健康保険・年金の納付関係書類必要時必要時・被保険者記録照会回答票など(本人が口座振替やコンビニ等で自費納付している場合のみ提出、基礎年金番号はマスキングが必要)

受入れ企業(特定技能所属機関)に関する提出書類

雇用契約の適正性、企業の経営の健全性、および税金や社会保険などの法令遵守状況(コンプライアンス)を証明する書類です。

提出書類名新規取得時期間更新時参考様式・番号 / 取得先
特定技能雇用契約書・雇用条件書必須不要参考様式第1-5号 / 参考様式第1-6号(賃金は日本人と同等以上が絶対要件)
賃金の支払(控除内訳の明細書)必須不要参考様式第1-6号別紙(家賃や食費を天引き・控除する場合に金額と内訳を合意)
1号特定技能外国人支援計画書必須不要参考様式第1-17号(2025年4月改正の「地域の共生施策」協力内容を含む最新版)
特定技能外国人の報酬に関する説明書必須不要参考様式第1-4号(※同一年度内の再申請等では省略可)
登記事項証明書(法人登記簿謄本)必須省略可法務局が発行するもの。発行日から3ヶ月以内のみ有効(※同一年度内の更新時は省略可)
役員の住民票の写し必須省略可業務執行に関与する役員全員分。マイナンバー記載なし、本籍地記載あり(※同一年度内の更新時は省略可)
労働保険料等納付証明書必須省略可労働局やハローワーク等が発行する直近の納付証明(※同一年度内の更新時は省略可)
社会保険料納入状況回答票必須省略可年金事務所が発行するもの、または健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し(※同一年度内は省略可)
決算書・確定申告書の写し必須省略可直近2年分の財務諸表。給与支払能力が備わっているか確認されます(※同一年度内は省略可)
国税・地方税の各種納税証明書必須省略可源泉所得税、法人税、消費税(税務署発行「その3」)、および法人住民税の納税証明書(※同一年度内は省略可)
分野別協議会の構成員証明書必須必須各分野の協議会が発行する最新の加入証明書(更新時も有効期限内のものを毎回添付)
地方自治体への協力確認書必須不要事業所の所在地および外国人の住居地が属する市区町村へ提出した最新の必須書類

主要分野別の必要な追加書類

在留資格「特定技能1号」の申請手続きでは、すべての分野で共通して提出する書類(雇用契約書や支援計画書、納税証明書など)のほかに、受入れる産業分野(職種)ごとに異なる独自の追加書類(分野別提出書類)が義務付けられています。

これは、各産業を管轄する省庁(国土交通省、農林水産省、厚生労働省など)が、その業界特有の労働環境を守り、適正な雇用を確保するために独自の「上乗せ基準」を設けているためです。以下は特定技能の全19分野のうち、特に実務上の手続きが複雑で、独自の提出書類が多い主要分野の必要書類一覧です。

対象分野分野独自の主な提出・添付書類概要と実務上の最重要留意点
介護・介護日本語評価試験の合格証明書

・介護技能評価試験の合格証明書
(良好な技能実習修了者は免除)
【訪問介護の解禁に伴う書類】
令和7年4月の告示改正により訪問介護サービスへの従事が可能となりました。これに伴い、訪問介護に従事させる場合は、別途「事業所の適合性」や「必要な日本語能力(N3以上等)」を証明する追加書面の提出が必要です。
建設・国土交通大臣による「建設特定技能受入計画認定書」の写し

・建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録書類

・受入れに関する建設業者団体への所属証明書
【出入国在留管理庁と国交省への二重申請】
入管へ特定技能ビザを申請する前に、国土交通省の「外国人就労管理システム」から受入計画の認定を受ける必要があります。認定取得に時間を要するため、極めて早めの準備が必要です。
飲食料品製造業/
外食業
・農林水産省が組織する「特定技能外国人受入事業実施法人(協議会)」の構成員であることの証明書【申請前の協議会加入義務】
他の多くの分野は「雇用後4ヶ月以内の加入」が認められていますが、外食・飲食料品製造業は「入管への申請時点で、既に構成員(会員)であること」が求められます。加入を完了させてからでなければ入管申請ができません。
自動車整備・自動車整備分野特定技能1号評価試験合格証

・または自動車整備職種の技能実習2号修了を証明する書類
登録支援機関へ支援を委託する場合、委託先の支援機関が「自動車整備分野に関わる業務を行っている(または過去に実習生受入実績がある)」ことを証明する適格性確認書類の添付が求められます。
自動車運送業
※令和8年追加
・一種または二種運転免許証の写し

・国土交通省への届出・許可証の写し

・「日本語サポーター」の同乗体制等を示す誓約書
令和8年に正式追加された新分野です。特にバスやタクシーを運転させる場合、日本語サポーターの同乗条件等の上乗せ基準に対応した、独自の誓約書や指導体制確認書が必要となります。

留意点

受入れ企業(特定技能所属機関)が不許可リスクを回避し、適法かつ円滑に外国人材を受け入れるために、以下の実務上のポイントを徹底して確認してください。

◇ 公租公課(税金・社会保険・年金)の納付遅延・未納

特定技能外国人の在留資格変更申請や期間更新申請において、最も厳しく審査されるのが、外国人本人および受入れ企業双方の公租公課(税金、社会保険料、労働保険料、年金)の納付状況です。

未納・支払遅延の厳禁:住民税、所得税、年金、健康保険などの公租公課について、未納はもちろんのこと、1日でも納期限を過ぎてから納付した「支払遅延」の履歴がある場合でも、申請が不許可となるリスクが極めて高くなります。

本人の国民健康保険・年金の確認:特に外国人本人が口座振替やコンビニ等で自費納付している国民健康保険や国民年金は、支払いが遅れがちです。

企業側は申請前に領収書や被保険者記録照会回答票等により、全ての納期が適正に収められているかを必ず確認・指導してください。もし未納等がある場合は、申請前にすべて解消し、合理的な理由書を用意して説明する必要があります。

◇ 改正行政書士法に伴う「代行作成」の厳格な制限

入管へ提出する申請書類(在留資格変更・認定・更新申請書、特定技能雇用契約書、支援計画書など)の作成代行業務に関する法規制が厳格化されています。

<無資格者による作成代行の違法化>
提出書類の代行作成を外部の第三者が行えるのは、国家資格を保有する「行政書士」または「弁護士」のみに法律で厳しく制限されています。

<登録支援機関等への委託時の注意>
たとえ登録支援機関や民間人材会社であっても、資格を持たない担当スタッフが書類を実質的に代行作成する行為は法律違反(行政書士法違反)とみなされます。企業自身が違法な申請手続きに関与したと判断されるリスクを防ぐため、必ず適法な資格を持つ専門家と直接連携して手続きを進めてください。

◇ 省令改正に伴う「地域の共生施策」への協力と最新様式の使用

入管への各種在留諸申請で使用する書類は、法改正や制度改定に伴い随時更新されています。

最新様式の使用徹底:支援計画書(参考様式第1-17号)や各申請書等は、地方公共団体が実施する「地域の共生施策」への協力を踏まえた具体的な支援内容を記載する最新の様式を使用しなければなりません。古い様式で申請を行うと入管で受理されない原因となります。

◇ 資格変更・転職時における「フライング就労」の完全防止

すでに日本国内に在留している外国人(技能実習生や他社からの転職者など)を新たに雇用する場合、在留資格変更許可申請が完了するまでの就労管理に注意が必要です。新しい在留カード受領前の就労厳禁:変更申請中であっても、入管からの許可が正式に下り、新しい在留カード(および指定書)を窓口等で実際に受け取るまでは、自社での特定技能としての就労(または転職後の新たな活動)は1日たりとも認められません。

不法就労助長罪のリスク:これに違反してフライング就労をさせた場合、企業側は「不法就労助長罪」に問われ、将来的な外国人の受入れが全面的に禁止されるなど極めて重い処分を受けることになります。

◇ 通算在留期間「上限5年」の正確なカウント管理

特定技能1号の通算在留期間は「上限5年」と法律で厳格に定められています。

転職者の前職期間の合算:転職者(中途採用者)を雇用する場合、前の企業で就労していた期間もこの5年の上限の中にすべて合算されます。残りの在留可能期間を事前に正確に逆算したうえで、適切な雇用契約期間を設定しなければなりません。

特例措置「特定活動」期間の合算:国籍ごとの送出手続き(ベトナムの推薦者表取得など)や、健康診断、協議会加入が在留期限までに間に合わない場合、就労を継続しながら準備ができる「特定活動(就労可・最長4ヶ月または6ヶ月)」の特例措置があります。ただし、この特例の特定活動期間も、特定技能1号の通算上限5年の期間に含まれて消費されます。


安易な準備遅れによる特例措置への切り替えは、本人の将来の特定技能としての就労可能期間を縮める結果となるため、計画的に準備を行うことが最善です。

◇ 送出国・特定産業分野ごとの「独自の要件」の確認

特定技能制度では、すべての分野・国籍に共通する基本ルールのほかに、「国別」および「分野別」の独自のルールや追加提出書類(上乗せ基準)が定められています。国独自の送出手続き:ベトナム(事前の推薦者表の取得必須)、タイ(駐日タイ大使館の認証を受けた雇用契約書の提出必須)、カンボジアなど、二国間取決め(MOC)に基づく本国側での特定の手続きや証明書の添付が必要となる国があります。

分野独自の追加要件:例えば、建設分野における「建設特定技能受入計画」の事前認定取得や「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録義務など、各分野の所管省庁が定める独自の告示基準(上乗せ基準)への適合と、その証明書類の提出が必要です。

採用を決定する前に、自社が該当する分野の最新の運用要領を必ず精査してください。

特定技能2号

【基本要件】特定技能1号と2号変更申請の比較

特定技能2号は、1号の「相当程度の知識・経験を要する業務」とは異なり、現場における「指導・管理・自らの判断に伴う専門的業務」を担う熟練人材向けの資格です。

1号2号変更申請
(1号から移行)
在留資格変更許可申請在留資格認定証明書交付申請(COE)在留期間更新許可申請
申請の性質国内で在留資格を変更海外から新規呼び寄せ在留期間の延長1号から2号へステップアップ
在留期間の上限通算で最長5年通算で最長5年通算で最長5年通算の上限なし(永住権可能)
家族帯同の可否原則不可原則不可原則不可可能(配偶者、子)
日本語能力要件必須(N4以上等)必須(N4以上等)不要(取得時確認済)原則不要(※一部分野を除く)
技能要件相当程度の知識・経験相当程度の知識・経験相当程度の知識・経験熟練した技能(2号試験合格等)
受入れ機関の支援義務必須(10項目生活支援)必須(10項目生活支援)必須(10項目生活支援)不要(対象外)

手続きの流れ・期間・申請方法

各種申請における採用(または更新準備)から就労・更新開始までのステップ、審査期間、申請主体の違いです。

1号2号変更申請
(1号から移行)
在留資格変更許可申請在留資格認定証明書交付申請(COE)在留期間更新許可申請
STEP 1試験合格又は実習修了試験合格又は実習修了満了3ヶ月前の準備2号評価試験(又は1級等)合格
STEP 2雇用契約締結雇用契約締結本人公租公課の事前確認熟練待遇(給与UP)での契約締結
STEP 31号支援計画の策定1号支援計画の策定同一年度内省略書類の確認業務内容誓約書(第1-32号)の作成
STEP 4自治体協力確認書・協議会手続自治体協力確認書・送国手続申請書類の準備・作成2号移行書類・実務経験証明書の作成
STEP 5在留資格変更許可申請在留資格認定証明書申請在留期間更新許可申請在留資格変更許可申請を行う
STEP 6許可・在留カード受領、就労COE受領・ビザ発給・入国許可・新カード(指定書)受領許可・新カード受領、指導業務開始
申請主体(原則)外国人本人(取次可)受入れ企業(代理人)外国人本人(取次可)外国人本人(取次可)

必要書類

1号の各手続きと2号への移行時では、提出を求められる独自の入管参考様式に大きな違いがあります。

1号2号変更申請
(1号から移行)
在留資格変更許可申請在留資格認定証明書交付申請(COE)在留期間更新許可申請
在留資格関係申請書必須必須必須必須それぞれ変更、認定、更新、2号用の最新様式
特定技能雇用契約書・条件書必須必須不要必須2号移行時も新契約書の提出が必須(1-5号・1-6号)
健康診断個人票(1-3号)必須必須必須必須更新時・2号変更時も、原則健診票の提出が必要
1号特定技能外国人支援計画書必須必須不要不要2号は1号支援計画書(1-17号)の提出が一切不要
特定技能外国人の履歴書必須必須不要必須初回2号移行時も参考様式第1-2号の提出が必要
業務内容に関する誓約書不要不要不要必須【2026年8月20日改正】参考様式第1-32号が完全義務化
実務経験を証明する書面不要不要不要必須2号への変更時にのみ、指導・監督経験等の証明書が必要
地方自治体への協力確認書必須必須不要不要地域の共生施策との連携。2号変更時は提出不要
企業の登記事項・決算・納税等必須必須省略可必須同一年度内に別の申請があれば省略可能な規定は2号も適用可

分野別要件

特定技能1号は19分野が対象ですが、2号へ変更申請できるのは11分野のみです。

特定技能1号(変更・認定・更新時)特定技能2号変更
建設分野日本語・1号技能試験合格(CCUS登録必須)2号評価試験(又は1級等)合格
+ 現場での「班長・職長」としての実務経験
造船・舶用工業分野日本語・1号技能試験合格(直接雇用のみ)2号評価試験(又は1級等)合格
+ 「複数の作業員を管理・指揮する監督者」経験
外食業・飲食料品製造業日本語・1号技能試験合格(※外食業は申請前協議会加入)2号試験合格
+ 「管理業務(店舗や製造ライン全体の管理指導等)」の実務経験
工業製品製造業分野育成就労3級、1号試験、技能検定3級等(全17業務区分)「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分のみに限定
漁業分野日本語・1号技能試験合格(※漁業は派遣雇用も一部可)2号試験合格
+ 「漁業・外食業」の2分野のみ移行時にJLPT N3以上が必須
介護分野介護日本語・介護技能評価試験(移行制限人数枠あり)特定技能2号の設定はなし
(※国家資格「介護福祉士」を取得し在留資格「介護」へ変更)

留意点

【2026年8月20日改正】
「業務内容に関する誓約書」の厳格審査 2号変更申請において、外国人本人が技能実習生や1号と同一の単純現場作業に従事することは認められず、必ず指導・管理・自らの専門的判断を伴う実務に従事することが要件です。

実態を担保するため、労使双方が業務内容について宣誓する「業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)」の提出が完全義務化されています。

【2026年8月公表】
特定技能2号在留期間への「5年」追加(永住要件との連動) 出入国在留管理庁は、特定技能2号に付与できる1回あたりの在留期間の選択肢に、新たに「5年」を追加する省令改正案を公表しました。

これは、永住申請時の要件である「最長の在留期間(5年)を有していること」を他の高度専門職ビザ等と均衡させるためであり、令和9年(2027年)1月上旬の公布・施行を予定しています。

【特例措置】
2号評価試験不合格時における「上限6年」の1号更新 1号の通算在留期間は原則5年ですが、2号試験が不合格となり5年の満了が迫った場合、「不合格となった2号試験の得点が合格基準点の8割以上であること」や、再受験・継続雇用の意思を誓約することで、例外的に「通算6年」を上限に1号の在留期間更新が認められる特例が適用可能です。

【2026年1月施行】
改正行政書士法への適合 法改正に伴い、2号の変更申請書、雇用条件書、実務経験証明書等の代行作成を行えるのは、国家資格を持つ「行政書士」または「弁護士」のみに厳格に制限されています。

まとめ

特定技能ビザの申請・更新実務は、最新の法令改正(地域の共生施策要件の追加、改正行政書士法の施行、オンライン連携による書類省略化)により、求められる基準や様式が刻々と変化しています。

受入れ企業と外国人(申請人)は、1号・2号の共通点として、雇用契約締結や健康診断、公租公課(税金や保険料等)を遅延なく支払う責務、および未納による不許可リスクを共有します。

一方で、両者の違いとして、受入れ企業は、1号外国人に義務付けられる10項目の支援計画の実施が2号外国人では一切不要になります。また、2号の申請において、受入れ企業と外国人は、指導・管理業務への従事を誓約する「業務内容に関する誓約書」や実務経験証明書の提出が必須となります。

外国人材が安心して長く働き続けられる環境を守るためにも、在留期限の管理を怠らず、早めに余裕を持って更新・変更の準備に着手することが大切です。

3問クイズにチャレンジ!

特定技能ビザについて、3問のクイズに挑戦してみましょう!

第1問|申請の流れ

海外に住んでいる外国人を、特定技能1号として日本へ呼び寄せる場合、 原則として行う手続きはどれでしょうか?

解説
海外にいる外国人を新たに特定技能1号として日本へ呼び寄せる場合は、 原則として「在留資格認定証明書交付申請(COE)」を行います。
第2問|必要書類

特定技能1号の在留資格申請で、受入れ企業が準備する提出書類について、 正しいものはどれでしょうか?

解説
特定技能の申請では、外国人本人の書類だけでなく、 受入れ企業に関する書類も必要です。 受入れ企業の状況や申請内容などによって必要書類が異なるため、 申請前に確認して準備することが重要です。
第3問|在留期間

特定技能1号で日本に在留できる期間は、 原則として通算何年まででしょうか?

解説
特定技能1号で在留できる期間は、原則として通算5年以内です。 特定技能2号とは在留期間の取扱いが異なります。
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特定技能|分野別

・特定技能「介護」とは?|外国人を採用するための要件

・特定技能「介護」とは?:二国間協定、特定技能協議会の手続き

・特定技能「建設」を徹底解説!

・特定技能「製造業」とは?

・特定技能「宿泊」とは?

・特定技能「外食業分野」についてわかりやすく解説!

・特定技能「ビルクリーニング」とは?

変更・更新・転職等

・特定技能の外国人は転職可能?

・特定技能ビザの更新方法を徹底解説!

・特定技能 vs 技能実習|制度の違いを表で解説

・「技能実習」と「特定技能」の転職における条件と注意点を解説!

・育成就労から特定技能への移行

・「特定技能ビザ」と「就労ビザ(技人国)」の違い

・特定技能ビザから留学ビザへの変更|手続き、要件、注意点を徹底解説!

特定技能チャンネル(動画)

YouTube「ビザ申請チャンネル by OSAHIRO行政書士事務所」では、特定技能外国人の採用やビザ申請のポイントを動画でわかりやすくご紹介しています。

・特定技能外国人を海外から採用|企業の受入れ・ビザ申請を解説

・特定技能「介護」とは?

・特定技能の外国人は転職可能?

・特定技能ビザから留学ビザへの変更は可能?

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