【事務所概要】

OSAHIRO行政書士事務所
代表者  長賀部 博之
所属   愛知県行政書士会 中央支部所属
資格   行政書士:日本行政書士会連合会 第24192755号

所在地  愛知県名古屋市千種区菊坂町1-7-1
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休業日  土日祝・夏季・年末年始

特定技能「介護」とは?|外国人を採用するための要件

特定技能「介護」とは?|外国人を採用するための要件

深刻化する介護業界の人手不足

日本では、少子高齢化が急速に進んでおり、介護業界における人手不足は深刻な問題となっています。 厚生労働省のデータによると、2040年には約3万2000人の訪問介護員が不足すると見込まれています。 この状況を改善するために、政府は外国人材の積極的な受け入れを推進しており、その中でも特定技能「介護」重要な役割を担っています。

特定技能「介護」の資格取得要件

特定技能とは、日本国内で人手不足が深刻な特定産業分野において、一定の技能と日本語能力を持つ外国人に与えられる在留資格です。特定技能「介護」は、介護分野での人手不足を解消するため、2019年に創設されました。 この資格を持つ外国人は、介護施設や事業所において、日本人と同等の業務に従事することが可能です。

特定技能「介護」を取得するには、共通の基本条件として健康状態が良好であること、および原則として18歳以上(資格取得・上陸時)であることが必要です。特定技能「介護」資格取得ルート別要件一覧を以下に示します。

取得ルート主な要件・条件試験免除・評価の取扱い
1. 試験ルート指定の技能試験と日本語試験のすべてに合格するなし
2. 技能実習ルート
(現行:2027年まで)
介護職種の技能実習2号を「良好に修了」するすべての試験(技能・日本語)が免除
3. 育成就労ルート
(2027年より開始)
3年間の育成就労を修了し、特定技能1号水準の試験等に合格する原則として試験や評価による確認が必要
(無試験移行は見直しの方向)
4. 養成施設ルート日本の介護福祉士養成施設(専門学校等)を修了(卒業)するすべての試験が免除
5. EPAルートEPA(経済連携協定)候補者として4年間適切に就労・研修に従事するすべての試験が免除(※1)

※1:直近の介護福祉士国家試験で合格基準点の5割以上の得点があり、全科目で得点があること等の条件が必要です。

試験ルート(未経験者・新規入国者向け)

以下の3つの試験すべてに合格する必要があります。

◇ 介護技能評価試験
介護業務の基盤となる知識・技術を確認する試験。

◇ 介護日本語評価試験
介護現場で支障のない日本語能力(声かけや文書作成等)を確認する試験。

◇ 日常生活レベルの日本語試験
「JFT-Basic」または「JLPT N4以上」のいずれか一方への合格。

技能実習ルート(現行の移行ルート)

介護職種の技能実習2号を良好に修了(概ね3年)した者は、技能・日本語ともに全試験が免除されます。
他職種(農業等)からの移行の場合は、日常生活レベルの日本語試験のみ免除され、介護系の2試験(技能・日本語)の合格が必須です。

育成就労ルート(2027年開始予定の新制度)

技能実習制度に代わり、人材確保と育成を目的として創設されます。

3年間の就労を通じて技能と日本語を身につけ、スムーズに移行できる仕組みですが、現行の「無試験での移行」から、特定技能1号水準の能力を試験や評価によって確認する方向で制度設計されています。

養成施設ルート

日本の介護福祉士養成施設を卒業した留学生等は、体系的な教育を受けているため、特定技能1号取得時の試験はすべて免除されます。

EPAルート

インドネシア、フィリピン、ベトナムからの候補者が対象です。

4年間の満了後、介護福祉士国家試験で一定の得点(5割以上等)を収めれば、試験免除で特定技能へ移行可能です。

特定技能「介護」で対応できる業務

特定技能「介護」で対応できる業務について、最新の方針に基づき、以下に表で示します。

業務の区分業務内容(具体的な例)備考
主たる業務(身体介護)利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつ、移動、整容、衣服着脱などの介助業務。介護技能評価試験の合格で証明される実践的な知識と技能に基づいて行います。
付随する支援業務身体介護に付随するレクリエーションの実施機能訓練の補助(筋力維持、リハビリ、判断力向上などが目的)。
関連業務上記業務に従事する日本人が通常行う掲示物の管理物品の補充などの業務に付随的に従事。専らこの関連業務のみに従事することは認められません。
訪問系サービス居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、居宅訪問型児童発達支援など。2025年4月21日に解禁される予定です。従事には、介護事業所等における原則1年以上の実務経験が必要です。

👉利用者の心身に応じた身体介護(入浴・食事・排せつ介助など)や、これに付随する支援業務関連業務に従事する業務です

特定技能「介護」資格取得の流れ

特定技能「介護」の資格を取得するには、以下のステップを踏む必要があります。

ステップ手続き/要件留意事項
1. 技能・日本語証明介護技能評価試験、介護日本語評価試験、日本語N4相当以上(国際交流基金日本語基礎テスト等)に合格する。技能実習2号修了は原則免除ですが、評価試験不合格等の場合は受験が必要です。

27年開始の育成就労では特定技能移行時に試験等での能力確認が原則必須となるため、早期の学習支援等の準備が不可欠です。
2. 雇用契約の締結特定技能所属機関とフルタイム(週30時間以上)で雇用契約を結ぶ。

報酬は日本人と同等以上であること。
雇用形態は直接雇用に限られる。
3. 協議会への加入在留資格申請前に、介護分野における特定技能協議会の構成員となることが原則必要である。申請時に協議会構成員であることの証明書が必要となる。
4. 支援体制の確立1号特定技能外国人支援計画を作成・実施する義務がある(登録支援機関へ委託可能)。支援計画には、生活オリエンテーションや相談対応などの10項目が含まれる。
5. 在留資格申請地方出入国在留管理局に認定証明書交付申請または変更申請を行い、許可を得る。

受け入れ施設・事業所の要件

特定技能「介護」の外国人を受け入れる施設・事業所(特定技能所属機関)に求められる主な要件は、以下の通りです。

項目要件の詳細根拠となる基準
事業所要件・介護福祉士国家試験の実務経験として認められる施設・事業所であること。

・訪問介護は2025年4月21日に解禁(原則、介護事業所等での実務経験1年以上など別途要件が必要)。
特定技能基準省令、告示
雇用形態
/待遇
日本人常勤職員と同等以上の報酬を支払い、直接雇用すること。

労働者派遣は認められていません。
特定技能基準省令
受入人数上限・受け入れ可能な特定技能外国人の総数は、その事業所にいる常勤の日本人介護職員の総数を超えない水準であること。厚生労働大臣告示
法令遵守
/欠格
・労働、社会保険、租税に関する法令を遵守していること。

・過去1年以内に同種業務の労働者を非自発的に離職させていないこと。
特定技能基準省令
支援体制10項目からなる支援計画を策定し、適切に実施する義務があること(登録支援機関へ委託可能)。

・支援に要する費用を外国人に負担させてはならない。
支援計画の基準
協議会への加入介護分野における特定技能協議会に加入していること。

・在留資格申請前に加入が原則求められます。
厚生労働大臣告示

特定技能協議会への入会

特定技能「介護」を受け入れる法人は、入管への在留資格申請(新規・変更・更新)を行うに、「介護分野における特定技能協議会」への入会と事業所登録を行い、「入会証明書」を取得しておく必要があります。

協議会手続きに必要な主な帳票

手続きは全てオンラインで行います。入会費・年会費は無料です。

手続き区分必要帳票説明
入会・事業所登録時
(事業所毎)
事業所の指定通知書自治体等が発行した、介護保険法等に基づく指定や許可を証明する公的書類。
事業所の概要書
(様式1-2号)
施設種別コードや、日本人等の常勤介護職員数を記載する書類。
外国人登録時
(受入後4か月以内)
雇用条件書
(様式1-6号)
賃金、労働時間、手当など、本人と合意した条件を記した書類。
支援計画書
(様式1-17号)
生活支援や日本語学習支援などの具体的なサポート内容をまとめた計画書。
在留カードの写し「特定技能1号」の在留資格が記載された最新のカードの写し。

訪問介護における「適合確認」

2025年4月の訪問介護解禁に伴い、特定技能外国人を訪問系サービスに従事させる場合は、事前に協議会事務局(JICWELS)へ申請し、「適合確認書」の発行を受ける必要があります。

必要帳票帳説明
キャリアアップ計画技能修得目標キャリア目標等を、本人と共同で作成した計画書。
訪問系サービスの要件に係る報告書実務経験(原則1年以上)等の要件を遵守していることを報告する書類。

留意点

◇ 申請不許可のリスク
2024年6月15日以降、入管への申請時に「入会証明書」の写しがない場合、申請は即不許可となります。

◇ 発行までのタイムラグ
証明書発行まで時間を要すため、入管への申請期限から逆算した計画的な準備が不可欠です。

◇ 有効期間
証明書は初回1年間、更新後は4年間有効です。期限の4か月前から更新可能です。

◇ 就労場所
入会証明書の裏面に登録された特定の事業所および「施設種別(訪問介護等)」でのみ勤務が可能です。
未登録の場所での就労は認められないため、異動や訪問介護への新規従事の際は、必ず業務を開始する前に登録申請を完了させ、証明書を更新してください。

1号特定技能外国人支援計画

受入れ機関(施設)は、1号特定技能外国人が安定して就労・生活できるよう、以下の支援を盛り込んだ「1号特定技能外国人支援計画」を作成・実施する義務があります。

支援フェーズ具体的な支援内容
入国前後・事前ガイダンス
・出入国時の送迎
・住居確保
・生活に必要な契約補助
日常生活・生活オリエンテーション
・公的手続き等への同行
・日本語学習機会の提供
定着・交流・相談、苦情への対応
・日本人との交流促進
・定期的な面談(3か月に1回以上)
その他・非自発的離職時の転職支援
・不適切な受入れ発覚時の通報

※支援の実施は、登録支援機関(RSO)へ全面委託が可能です。

具体例(特定技能「介護」)

事例1:施設における即戦力としての業務

特定技能外国人の主たる業務は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、病院などの事業所内で行われる身体介護(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)と、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)です。

例えば、技能実習2号を修了して特定技能に移行したインドネシア国籍のAさんは、介護老人福祉施設で身体介護やレクリエーションの企画・実施を担当し、日本人職員と協力しながら業務に取り組んでいます。

事例2:訪問介護業務への従事

2025年4月21日より、特定技能外国人は訪問介護サービス(居宅介護、重度訪問介護、居宅訪問型児童発達支援等)に従事することが可能になりました。

この業務を行うためには、原則として介護事業所等での1年以上の実務経験、介護職員初任者研修課程などの修了、およびキャリアアップ計画の策定などの要件を満たす必要があります。

事例3:キャリアパスとしての活用

介護分野の技能実習2号を良好に修了した外国人が、試験を免除されて特定技能「介護」へ移行し、引き続き即戦力として日本の介護現場で就労を継続するルートは多いです。また、特定技能として就労する間に介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格「介護」へ移行し、在留期間の上限なく日本で働くことができます。

運用上の重要事項

訪問介護への従事(2025年4月より解禁)

特定技能外国人が訪問介護に従事するには、特定技能「介護」の資格に加え、以下の追加条件が必要です。

「介護職員初任者研修課程等」の修了

原則1年以上の実務経験(日本語能力がN2以上の場合は、より厳格な同行訪問期間を設定することで実務1年未満でも可能)。

◇ 事業所による「キャリアアップ計画」の作成と、特定技能協議会(JICWELS)からの「適合確認書」の事前発行

特定技能2号について

介護分野には「特定技能2号」は設けられていません
その代わり、国家試験に合格して在留資格「介護」へ変更することで、家族の帯同や永続的な在留が可能になります。

特定技能「介護」(1号)は、深刻化する介護分野の人手不足に対応するため、即戦力となる外国人を一定期間(通算5年以内)受け入れることを目的としています。一方、在留資格「介護」は、日本の介護福祉士(国家資格)を取得した高度な専門性を有する外国人が、長期的に就労することを目的としています。以下に、両者の違いを示します。

特定技能「介護」在留資格「介護」
資格要件技能試験・日本語試験合格
技能実習2号良好修了
介護福祉士資格
在留期間通算5年更新可能、上限なし
業務範囲身体介護、付随する支援業務
(2025年4月から訪問介護も可能)
介護業務全般
転職可能可能
家族帯同不可要件を満たせば可能
資格取得の難易度比較的容易難しい
活用の柔軟性事業所の状況に合わせて柔軟な活用が可能専門性の高い人材として、より高度な業務を任せられる
ライフステージ日本人と同様にライフステージの変化がある。
日本人以上に就労が難しくなる可能性もある。
日本人と同様にライフステージの変化がある。

まとめ

特定技能「介護」は、介護業界の人手不足を解消するための重要な手段です。 この資格を持つ外国人は、介護施設や事業所において、日本人と同等の業務に従事し、利用者の生活を支えることができます。 2025年度には訪問介護への従事も可能となり、今後ますますその活躍が期待されます。

名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。

ご参考:ビザ申請ポイント

特定技能ビザは、外国人が日本で即戦力として働ける制度です。試験合格や職種適合など厳格な条件があり、申請ミスや不備があると不許可のリスクもあります。正確な手続きが成功のカギです! ビザ申請の概要や注意点をわかりやすくご紹介します。

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