日本国内の人手不足が深刻化する中、外国人材の活躍はますます重要になっています。その中でも「特定技能」は、一定の専門性・技能を有する外国人が就労できる在留資格です。特定技能の対象は現在19分野に拡大されています。ただし、物流倉庫分野・資源循環分野については、省令等の準備が整い次第、受入れ可能となる予定です。本記事では、特定技能1号・2号の対象分野と、それぞれの主な仕事内容について解説します。
特定技能とは?1号と2号の違い

2019年4月に創設され、その後対象分野が順次拡大され、現在では19分野が対象となっています。
※物流倉庫分野・資源循環分野については、省令等の準備が整い次第、受入れ可能となる予定です。
特定技能には1号と2号の2種類があり、それぞれ求められる技能レベルや在留期間、家族帯同の可否などが異なります。
◇ 特定技能1号
相当程度の知識または経験を必要とする技能を有する外国人向けの在留資格です。在留期間は通算で上限5年までで、原則として家族の帯同は認められません。受け入れ企業または登録支援機関による支援の対象となります。
◇ 特定技能2号
熟練した技能を有する外国人向けの在留資格です。在留期間は3年、1年または6か月ごとの更新が可能で、更新回数に上限はありません。原則として家族の帯同も可能です。また、特定技能1号のような支援計画に基づく支援の対象ではありません。現在、特定技能2号は11分野が対象となっています。
特定技能の職種と仕事内容

| 分野 | 特定技能1号の主な仕事内容 | 特定技能2号の主な仕事内容 | 雇用形態 | 最新の動き |
| 介護 | ・身体介護(食事、入浴、排泄、着替えなど) ・生活援助(掃除、洗濯、調理など) | (対象外) | 直接雇用 | ・一定の要件を満たす場合、訪問系サービスへの従事が可能 |
| ビルクリーニング | ・建築物内部の清掃 | ・複数の作業員を指導しながら建築物内部の清掃に従事し、現場を管理する業務、および同業務の計画、進行管理、マネジメント | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| リネンサプライ | ・ホテルや病院などで使用されたリネン類の入荷 ・仕分け ・洗濯・乾燥 ・仕上げ・検品 ・結束・出荷など | (対象外) | 直接雇用 | ・2026年に新たに受入れ開始 |
| 工業製品製造業 | ・機械金属加工 ・電気電子機器組立て ・金属表面処理 ・コンクリート製品製造 ・印刷・製本 ・繊維製品製造 ・縫製 ・家具製造 ・ゴム製品製造など | ・複数の技能者を指導しながら、製造工程の作業に従事し、工程を管理 | 直接雇用 | ・2023年に追加 ・2024年3月に業務区分が大幅に追加 ・受入事業所はJAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)への入会が必要 |
| 建設 | ・型枠施工 ・左官 ・コンクリート圧送 ・トンネル推進工 ・建設機械施工など | ・複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理 | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 造船/舶用工業 | ・溶接 ・塗装 ・鉄工 ・仕上げ ・機械加工 ・電気機器組立て | ・全ての向きで溶接を行うことができ、自らの判断で適切な方法で溶接を行える。また、監督者として業務を遂行できる | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 自動車整備 | ・自動車の日常点検整備 ・定期点検整備 ・特定整備 ・特定整備に付随する業務 | ・自動車整備分野に属する熟練した技能を要する業務 | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 航空 | ・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務 ・手荷物/貨物取扱業務等) ・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等) | ・航空機の地上走行支援業務 ・手荷物・貨物取扱業務等 ・航空機の機体 ・装備品等の整備業務等 | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 宿泊 | ・宿泊施設におけるフロント ・企画/広報 ・接客 ・レストランサービス等の提供 | ・複数の従業員を指導しながら、旅館やホテルにおけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供、および店舗経営 | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 農業 | ・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷/選別等) ・畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷/選別等) | ・栽培管理 ・農産物 ・飼養管理 ・畜産物の集出荷/選別等の農作業および当該業務に関する管理業務 | 直接雇用、派遣 | ・2023年に追加 |
| 漁業 | ・漁業(漁具の製作/補修、水産動植物の探索/採捕、漁獲物の処理/保蔵等) ・養殖業(養殖資材の製作/補修/管理、養殖水産動植物の育成管理/収穫/処理等) | ・漁具 ・養殖資材の製作/補修 ・漁具/漁労機械の操作 ・水産動植物の探索/採捕 ・漁獲物の処理/保蔵 ・安全衛生の確保 ・操業を指揮する者の補佐 ・作業員の指導および工程管理 | 直接雇用、派遣 | ・2023年に追加 |
| 飲食料品製造業 | ・飲食料品(酒類を除く)の製造/加工 ・安全衛生の確保 | ・飲食料品(酒類除く)の製造/加工および安全衛生の確保 ・並びにそれらの管理業務 | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 外食業 | ・飲食物調理 ・接客 ・店舗管理 | ・外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)および店舗経営 | 直接雇用 | ・2023年に追加 |
| 自動車運送業 | ・トラック運転者 ・タクシー運転者 ・バス運転者 | (対象外) | 直接雇用 | ・2024年3月29日閣議決定により追加 ・運転免許取得期間は「特定活動」の在留資格が付与 ・運転者職場環境良好度認証制度に基づく認証取得等が要件 |
| 鉄道 | ・軌道整備 ・電気設備整備 ・車両整備 ・車両製造 ・運輸係員(駅係員、車掌、運転士) | (対象外) | 直接雇用 | ・2024年3月29日閣議決定により追加 |
| 林業 | ・育林 ・素材生産 ・林業用種苗の育成(育苗) ・原木生産を含む製炭作業 | (対象外) | 直接雇用 | ・2024年3月29日閣議決定により追加 ・林業技能測定試験の合格が必要 |
| 木材産業 | ・製材 ・合板製造 ・集成材製造 ・木材チップ製 ・木質燃料製造 | (対象外) | 直接雇用 | ・2024年3月29日閣議決定により追加 |
| 物流倉庫 | ・倉庫内での貨物の入出庫、保管等 ※受入れ開始準備中 | (対象外) | 直接雇用 | ・新たに特定技能の対象分野に追加 ・省令等の準備が整い次第、受入れ可能 |
| 資源循環 | ・廃棄物の処理・再資源化等 ※受入れ開始準備中 | (対象外) | 直接雇用 | ・新たに特定技能の対象分野に追加 ・省令等の準備が整い次第、受入れ可能 |
特定技能外国人を受け入れる際の注意点

特定技能外国人を受け入れる際には、以下の点に注意が必要です。
◇ 業務範囲
特定技能外国人は、各分野で定められた業務に従事する必要があります。なお、その業務に従事する日本人が通常行う関連業務については、付随的に従事することが認められています。ただし、関連業務のみに専ら従事させることはできません。
◇ 賃金
日本人と同等以上の賃金を支払う必要があります。
◇ 支援体制(1号)
1号特定技能外国人を受け入れる場合は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、職業生活・日常生活・社会生活上の必要な支援を行う必要があります。受入れ機関自身で支援を行うための体制を満たさない場合は、登録支援機関へ支援の全部を委託する方法があります。
◇ 受け入れ機関の基準
受け入れ機関自体も、労働・社会保険・税に関する法令遵守など、一定の基準を満たす必要があります。
◇ 協議会への加入
特定技能外国人を受け入れる場合は、原則として在留諸申請前に、各分野で定められた協議会への加入等の手続が必要です。加入方法や必要な手続は分野によって異なります。
まとめ
◇ 特定技能の対象分野
・特定技能は、人手不足が深刻な産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れるための在留資格です。
・制度創設後、対象分野は順次拡大され、現在は19分野が対象となっています。
・なお、物流倉庫分野・資源循環分野については、受入れ開始に向けた準備が進められています。
◇ 特定技能1号
・特定技能1号は、相当程度の知識または経験を必要とする技能を有する外国人が対象です。
・在留期間は通算5年が上限で、原則として家族の帯同は認められません。
・受入れ機関は支援計画を作成し、外国人が日本で安定して生活・就労できるよう必要な支援を行います。
◇ 特定技能2号
・特定技能2号は、熟練した技能を有する外国人が対象です。
・現在は11分野が対象となっており、在留期間の更新回数に上限はありません。また、要件を満たせば家族の帯同も可能です。
◇ 特定技能の仕事内容
・特定技能外国人が従事できる仕事内容は、分野ごとに定められています。
・対象となる主な業務のほか、その業務に従事する日本人が通常行う関連業務についても、付随的に従事することが認められています。
ただし、関連業務のみに専ら従事させることはできません。
◇ 受入れ前の確認
・特定技能外国人を採用する際は、希望する仕事内容が対象分野・業務区分に該当するかを確認する必要があります。
・外国人本人の要件だけでなく、受入れ機関の要件、雇用形態、支援体制、協議会への加入等についても、分野ごとに確認することが重要です。
特定技能の職種 クイズ
特定技能の対象分野や仕事内容について、3問のクイズに挑戦してみましょう!
現在、特定技能の対象となっている分野はいくつでしょうか?
次のうち、現在「特定技能2号」の対象となっていない分野はどれでしょうか?
特定技能外国人が従事できる業務について、正しいものはどれでしょうか?
名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所では、名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県を中心に、特定技能の在留資格申請をサポートしています。海外から特定技能外国人を採用する場合の在留資格認定証明書交付申請(COE)をはじめ、在留資格変更、在留期間更新、特定技能2号への変更など、受入れ企業の状況に応じて必要な手続きや申請の進め方をご案内します。ご依頼をご検討の企業様は、下記よりお問い合わせください(初回面談は無料です)。
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