就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」許可の判断基準

就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」許可の判断基準は、以下の「在留資格該当性」「上陸許可基準適合性」「相当性」の三つの視点から考慮されます。

在留資格該当性(入管法別表第1の2)

就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の在留資格該当性は、外国人が日本で行おうとする活動が、入管法別表第一の二の表に定める以下の活動要件を満たすことを意味します。

◇ 契約の存在
活動は、日本国内の会社、国、地方公共団体などの公私の機関との継続的な契約(雇用、委任、委託など)に基づいて行われる必要があります。

◇ 技術・人文知識
理学、工学などの自然科学分野、または法律学、経済学、経営学などの人文科学分野に属する、学術上の素養を背景とした一定水準以上の専門的な技術または知識を要する業務であること。単純な反復作業や、採用基準が「未経験可」であるような特段の知識を要しない業務は該当しません。

◇ 国際業務
外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする業務であること。具体的には、翻訳、通訳、語学の指導、広報、デザイン、海外取引業務などが該当します。

上陸許可基準適合性

就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の上陸許可基準適合性とは、入管法第7条第1項第2号に基づき、法務省令(基準省令)で定められた、外国人が満たすべき以下の要件に適合することです。

◇ 技術・人文知識の要件(基準省令第1号)
理学、工学、法律学、経済学などの専門的な知識・技術を要する業務に従事する場合、以下のいずれかに該当し、必要な知識を修得していることが求められます。

・関連科目を専攻した大学卒業(または同等以上の教育)

・関連科目を専攻した日本の専修学校の専門課程修了(専門士等の要件に該当する場合)

・10年以上の実務経験(関連科目の専攻期間を含む)

◇ 国際業務の要件(基準省令第2号)
外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務に従事する場合、以下の両方を満たす必要があります。

・業務内容が、翻訳、通訳、語学の指導、広報、デザイン、海外取引業務などの指定された業務であること。

・従事しようとする業務に関連する3年以上の実務経験を有すること(ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳、語学の指導に従事する場合は経験不要)。

◇ 報酬の適正性の要件(基準省令第3号)
日本人が同様の業務に従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

相当性

就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の許可審査における相当性とは、在留資格の変更許可申請(入管法第20条第3項)や在留期間の更新許可申請(入管法第21条第3項)の際に、法務大臣がその変更・更新を「適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り」許可できるという、裁量的な判断基準を指します。

これは主に、申請者のこれまでの在留状況や、今後の在留の必要性から判断されます。

相当性の判断基準として、具体的には以下の項目が総合的に考慮されます。

◇ 安定性・継続性
申請人が活動を継続できるか、雇用する会社の事業の業績、規模、納税の実績(所得税、住民税、健康保険、年金)などが審査されます。

◇ 素行の良否
申請者の素行が不良でないことが前提です。例えば、資格外活動許可の条件である「週28時間以内」を超えてアルバイトに恒常的に従事していた場合(オーバーワーク)は、素行が善良ではないと見なされ、不許可の消極的要素となります。

◇ 必要性
外国人の語学力や実務経験が、従事する業務内容と合致しているかなど、日本や受入れ機関にとって必要な人材か否かが評価されます。

◇ 法令遵守
入管法に定める届出等の義務(在留カードの届出など)を履行していることが求められます。

◇ 信憑性
提出資料に虚偽の記載がないか、過去に虚偽申請歴がないか、留学生の場合は出席率や成績が活動に応じたものかどうかが確認されます。

なお、相当性の判断には、上陸許可基準(基準省令)への適合性も判断材料の一つとして考慮されます。

名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。

参考:技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)説明動画

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