
現在日本に「家族滞在」の在留資格で住んでいる方が、「日本でもっと働きたい」「正社員として活躍したい」と思った時に、どうすれば良いのかを説明します。
家族滞在ビザとは?

家族滞在ビザは、日本で働く方や留学している方など、特定の在留資格を持つ外国人の「配偶者」や「子供」が、その方の扶養を受けて日本に滞在するためのビザです。日常的な活動(家事や通学など)は認められていますが、原則として働くことはできません。
◇ 週28時間以内なら働けます!
ただし、事前に出入国在留管理庁で「資格外活動許可」という許可を得れば、週に28時間以内のアルバイトやパートタイムの仕事が可能です。この許可があれば、多くの種類の仕事に就くことができますが、風俗関連の仕事などは認められていません。
◇ 週28時間以上働きたいなら「就労ビザ」への変更が必要です
もし、あなたが正社員としてフルタイムで働きたい場合や、週28時間以上働きたい場合は、家族滞在ビザのままでは認められません。あなたの活動内容に合った別の「就労ビザ」(在留資格)への変更が必要です。家族滞在ビザから就労ビザへの切り替えは、必要な条件を満たせば可能です。
主な就労ビザの種類をご紹介!
日本には様々な種類の就労ビザがありますが、家族滞在から変更されるケースが多い代表的なものをいくつかご紹介します。
ビザの種類 | 概要 | 主な対象職種 | 主な要件 |
技術・人文知識・国際業務 | ・専門的な知識・技術や外国の文化に基づく思考が必要な業務 | ・SE ・経理 ・営業 ・翻訳 ・通訳など | ・学歴(大学卒等)または職歴(10年/3年以上)+業務との関連性 ・日本人と同等以上の報酬など。 |
技能 | ・特殊な分野の熟練技能が必要な業務 | ・料理人 ・建築技術者 ・ソムリエなど | ・該当分野での10年以上の実務経験(特例あり) ・日本人と同等以上の報酬など。 |
経営・管理 | ・日本で事業を経営/管理する活動 | ・社長 ・取締役 ・部長など | ・事務所確保 ・常勤2名以上or資本金500万円以上 ・経営経験など。 |
特定活動46号 | ・日本の大学等を卒業し、高度な日本語能力を持つ方が幅広い職種で働く | ・飲食店等での接客 ・工場での管理 | ・日本の大学/大学院卒 ・日本語能力N1等 ・日本人と同等以上の報酬 ・日本語での意思疎通が必要な業務など。 |
※日本の高校を卒業された方の場合、特定の条件を満たせば「定住者」や「特定活動」ビザへの変更が認められる特例もあります。
就労ビザへの切り替え、どうすればいいの?

1.就職先を見つける
まずは、あなたのスキルや経歴を活かせる仕事を見つけ、会社から「内定」をもらうことが最初のステップです。
2.必要書類を準備する
在留資格変更許可申請書、パスポート、在留カード、写真など基本的なものに加え、新しい就職先からの雇用契約書や会社概要、あなたの学歴や職歴を証明する書類などが重要です。なぜ家族滞在から就労ビザに変更したいのかを説明する理由書も必要になります。
3.申請する
必要書類を揃えて、お住まいの地域を管轄する出入国在留管理庁に申請を行います。会社の担当者や、専門家である行政書士に手続きを依頼することも可能です。
4.審査を待つ
申請後、審査が行われます。通常は1ヶ月から3ヶ月程度で結果が出ますが、申請内容や時期によってはもう少し時間がかかることもあります。
切り替え申請のポイント・注意点

家族滞在ビザから日本の就労ビザへの切り替え申請におけるポイントと注意点です。
家族滞在ビザでの就労制限の理解
「家族滞在」ビザを持つ外国人は、原則として就労が認められていません。しかし、「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間以内のアルバイトが可能です。これを超える労働や、風俗営業など特定の活動は禁止されています。
就労ビザへの切り替えが必要な条件
「家族滞在」は扶養を受けるための在留資格であり、扶養者からの扶養を受けなくても生活できるほどの所得を得るようになると、この資格に該当しなくなります。そのため、フルタイムで働きたい場合や、法人を設立して事業を経営する、従業員を雇用する、自宅ではない場所に事業所を借りるといった場合は、就労ビザへの変更申請が必須となります。
申請手続きと重要書類
切り替え申請は地方出入国在留管理庁で行います。就労先からの雇用契約書、会社概要、履歴書、職務経歴書が必要です。特に、切り替えの理由やキャリア計画を具体的に説明する「理由書」、日本人と同等以上の報酬を支払うことや、企業の信頼性(社会保険加入状況、財務健全性)も重視されます。
審査期間と不許可を避けるための注意点
審査期間は通常1~3ヶ月程度ですが、書類の不備や繁忙期には長引くことがあります。スムーズな許可を得るためには、以下の点に注意が必要です。
◇ 在留期間が切れる前に余裕を持って申請する。
◇ 職務内容と申請者の学歴・職歴が一致していることを具体的に示す。
◇ 過去に資格外活動許可の制限(週28時間)を超えて就労していた場合、不許可の原因となる可能性があります。
ご参考:技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)の説明動画
ビザ申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。
・”Engineer/Specialist in Humanities/International Service” Visa
ご参考:家族滞在ビザの説明動画
名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。