OSAHIRO行政書士事務所
OSAHIRO行政書士事務所
ビザ申請|民泊許可届出|各種許認可
代表 / 行政書士:長賀部 博之
日本行政書士会連合会 第24192755号
所在地・アクセス 愛知県名古屋市千種区菊坂町1-7-1
東山線 池下駅 東改札2番出口 徒歩4分

監理団体から監理支援機関へ

監理団体から監理支援機関へ

2027年(令和9年)4月1日より、従来の技能実習制度が発展的に解消され、新たな制度体系である「育成就労制度」が施行されます。これに伴い、これまで技能実習生の受け入れや指導を担ってきた「監理団体」は、新制度における支援・管理組織である「監理支援機関」へ移行・改組されることになります。

この改革は、単なる名称の改称にとどまりません。制度の目的が従来の「技術移転による国際貢献」から「人手不足分野における人材の育成および確保」へと大幅に転換されたためです。監理支援機関には、従来の「管理・監督(監理)」に加えて、外国人材の権利保護、日本語学習のサポート、キャリアステップ(特定技能1号への移行)や転籍の支援といった「伴走・支援」の機能が強く求められるようになります。

監理団体と監理支援機関の違い

監理団体から監理支援機関への移行における主な変更点を、以下に示します。

監理団体(技能実習制度)監理支援機関(育成就労制度)変更のポイント
根拠法令・目的技能実習法
(国際貢献・技術移転)
育成就労法
(人手不足分野の人材育成・確保)
制度目的が「国際貢献」から「実態に即した人材確保・育成」へ完全転換
外部監査体制選択制
(外部役員 または 外部監査人)
全機関への設置義務化
(独立した外部監査人の設置が必須)
外部役員枠が廃止され、第三者による中立的な外部監査を全面義務化
許可区分・期間2区分
(一般5年 / 特定3年)
区分を一本化
(初回3年/優良認定で更新時5年)
許可区分が統合され、初回は全機関一律3年からのスタートに集約
常勤職員配置基準明確な数値基準なし常勤2人以上 + 受入規模に応じた増員
(受入企業8者 / 外国人40人あたり1人以上)
「ベース最低2人」に加え「担当規模に応じた比例配置」を必須化
受入機関の要件1者のみでも可原則2者以上特定企業との親密関係や監理の形骸化(癒着)を防止
財務健全性明確な基準なし直近決算で債務超過でないこと経営基盤の健全性を審査し、赤字累積による債務超過は許可不可
転籍(転職)支援原則不可
(転籍支援の義務なし)
条件付きで可能
(転籍支援業務が新たに義務化)
本人意向転籍の導入に伴い、ハローワーク等と連携した調整業務が必須化
日本語学習支援努力義務業務・計画として明確化
(段階的試験合格への伴走支援)
単なる講習にとどまらず、特定技能移行に向けた計画的な学習サポートを要件化
監理費の透明性不透明なケースが存在算出根拠・料金表の提出と明示を義務化不当な手数料やキックバックを防止し、費用の内訳を公表・開示
新制度への移行—自動移行なし
(全団体が新規に許可申請を行う)
既存の監理団体の許可は引き継がれず、新たに審査・許可を取得する必要あり

許可基準の厳格化

監理支援機関として業務を行うための許可基準は、技能実習時代よりも大幅に厳格化されています。特に押さえておくべきポイントは以下の5点です。

重要ポイント新しい許可基準・要件従来の監理団体との違い・狙い
① 外部監査人の全面義務化全機関に独立した「外部監査人」の設置を義務付け。専門講習修了者(弁護士・社労士・行政書士等)の選任が必要・従来の「指定外部役員」との選択制を廃止

・第三者による中立的な外部監査を徹底。
② 独立性・中立性の確保受入機関(企業)と資本関係・人的関係などで密接な関係にある者を監理業務に関与させない・受入企業との癒着や、不当な影響による監理機能の形骸化を防ぐ
③ 職員配置基準の強化常勤役職員2人以上をベースとし、担当規模に応じて増員(受入企業8者 / 外国人40人あたり1人以上)・常勤1人での運営を禁止

・規模拡大に伴う指導・相談体制の形骸化を防止。
④ 受入機関2者以上 & 財務要件①受入企業が原則2者以上であること

②直近の決算で債務超過でないこと
・1社専属監理を防ぎ、赤字累積・倒産等による事業停止・放り出しリスクを排除
⑤ 監理費の透明化・適正化費用の算出根拠および明細を公表し、料金表の提出・提示を義務化・不透明な手数料や送出機関とのキックバック等の不正・過大な費用負担を禁止

◇ 外部監査人の確保
申請段階で契約または内定通知書の提出が必要なため、移行準備の中で最優先で手配・選任すべき項目となります。

◇ 独立性の厳格チェック
受入企業の役員・社員が監理支援機関の役員や職員を兼任している場合、組織体制の抜本的な見直しが必要になります。

◇ 人員・財務での自己チェック
「常勤1人のみ」「受入企業が1社のみ」「直近決算で債務超過」のいずれかに該当する場合、そのままでは申請しても不許可となるため、増員・新規開拓・財務改善などの事前対策が必須です。

移行の全体スケジュール

時期主な手続き
2024年(令和6年)6月21日改正法(育成就労法)の公布
2026年(令和8年)3月〜5月【事前準備】
許可基準の自己チェック、外部監査人の選任・確保、定款変更の総会準備
2026年(令和8年)4月15日監理支援機関の施行日前申請(許可申請)の受付開始
2026年(令和8年)5月〜7月常勤職員の確保・増員、監理費の料金表作成、各種規程(転籍支援・日本語教育支援等)の整備
2026年(令和8年)9月30日【申請推奨期限】
施行日(2027年4月1日)からの業務開始を目指す場合の推奨申請期限
2026年(令和8年)9月〜2027年3月外国人技能実習機構(OTIT)による書類審査・実地調査対応、育成就労計画認定の準備
2027年(令和9年)4月1日育成就労制度の施行(監理支援機関としての新制度スタート)

移行スケジュールは、2026年4月15日に施行日前申請の受付が始まり、2027年4月1日の制度施行と同時に業務を開始するための申請推奨期限は2026年9月30日とされています。既存の監理団体の許可は自動引き継ぎされないため、全団体が審査期間を見越し、計画的に新規の許可申請を行う必要があります。

移行に必要な手続き

ステップ手続き内容主な作業・確認事項
Step 1:
要件チェック・体制の確認
自団体の現状と新基準の適合確認・常勤職員数(ベース2人以上+受入規模に応じた配置要件)

・受入機関数(原則2者以上)

・財務状況(直近決算で債務超過になっていないか)
Step 2:
専門人材の確保
外部監査人の選任・受入企業と密接な関係のない外部監査人(過去3年以内に養成講習を修了した弁護士・社労士・行政書士等)を確保し、契約書・内定書を準備
Step 3:
法人の決議と定款変更
組織・規程の整備・定款の事業目的に「育成就労の監理支援事業」を追加(総会決議および登記変更)

・業務運営規程、監理費算定根拠・料金表の作成
Step 4:
書類作成・許可申請の提出
機構への申請書提出・許可申請書、事業計画書、貸借対照表・損益計算書、各種誓約書等を作成

・OTIT(外国人技能実習機構)へ郵送等で提出
Step 5:
審査対応と受入企業対応
許可交付と運用移行準備・書類審査(数か月程度)および補正対応

・受入企業(育成就労実施者)との監理契約の再締結、育成就労計画の作成準備

移行手続きは、人員や財務の要件確認から始まり、外部監査人の確保や定款変更の総会決議、規程整備を行います。その後、事業計画書等の書類を作成して外国人技能実習機構(OTIT)へ許可申請を行います。審査対応と並行し、受入企業との監理契約の再締結や育成就労計画の作成準備を進めます。

まとめ

監理団体から監理支援機関への移行は、名称変更にとどまらず、「外部監査人の設置義務」「中立性・独立性の確保」「人員・財務基準の厳格化」「転籍・日本語支援の義務化」など、組織体制と実務運用の抜本的な見直しを伴う大きな転換点です。

施行日である2027年4月1日からのスムーズな運用開始に向けて、推奨期限である2026年9月30日までの申請完了を目指し、計画的かつ早急に準備を進めることが重要となります。

3問クイズにチャレンジ!

監理団体から監理支援機関への変更点について、3問のクイズに挑戦してみましょう!

第1問|監理支援する受入れ機関の数

監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者(受入れ機関)の数について、 正しいものはどれでしょうか?

解説
監理支援機関の独立性・中立性を確保する観点から、 原則として2者以上の育成就労実施者(受入れ機関)を監理支援する必要があります。

新規許可申請時にまだ受入れを開始していない場合は、 2者以上となる具体的な見込みが必要で、 原則として許可後1年以内に予定どおり受入れを行う必要があります。

これは、技能実習制度の監理団体にはなかった新たな許可要件です。

※2026年9月時点(育成就労法・同規則、育成就労制度運用要領)
第2問|外部監査人は必要?

監理支援機関の外部監査について、 正しいものはどれでしょうか?

解説
技能実習制度の監理団体では「外部監査人」または「指定外部役員」を選択できますが、 監理支援機関では外部監査人の設置が必要です。

外部監査人には、監理支援機関や受入れ機関との関係など、 独立性を確保するための要件も定められています。

※2026年9月時点(育成就労法・同規則、育成就労制度運用要領)
第3問|監理支援を行うための人員体制

監理支援機関で、監理支援の実務に従事する常勤の役職員について、 正しいものはどれでしょうか?

解説
監理支援の実務に従事する常勤の役職員は最低2人必要です。

さらに、監理支援する受入れ機関や育成就労外国人の数が増えると、 それに応じて必要な役職員数も増えます。

これは、技能実習制度の監理団体にはなかった新たな人数基準です。

※2026年9月時点(育成就労法・同規則、育成就労制度運用要領)

クイズへの挑戦、ありがとうございました!

監理団体から監理支援機関への移行や育成就労制度の手続で少しでも不安を感じたら、専門家にご相談ください。

あなたの想いを未来へ繋ぐお手伝いをします。

専門家(行政書士)に相談する

ご参考:ビザ申請のポイント

特定技能ビザは、外国人が日本で即戦力として働ける制度です。試験合格や職種適合など厳格な条件があり、申請ミスや不備があると不許可のリスクもあります。正確な手続きが成功のカギです! ビザ申請の概要や注意点をわかりやすくご紹介します。

OSAHIROブログ:特定技能

・特定技能ビザ申請の流れと必要書類

・育成就労から特定技能への移行

・特定技能の協議会とは?|加入時期、入会方法、適合確認審査

・特定技能「介護」とは?:二国間協定、特定技能協議会の手続き

・特定技能の外国人は転職可能?

・登録支援機関の義務的支援とは?

・特定技能 vs 技能実習|制度の違いを表で解説

・特定技能の職種一覧|対象分野・仕事内容・1号と2号を解説

・特定技能ビザ|2025年4月からの変更点

・特定技能登録支援機関の変更方法は?

・登録支援機関の申請要件について

・特定技能「建設」を徹底解説!

・特定技能「ビルクリーニング」とは?

・特定技能ビザから留学ビザへの変更|手続き、要件、注意点を徹底解説!

・特定技能試験を解説!

・特定技能ビザの更新方法を徹底解説!

・特定技能「製造業」とは?

・特定技能「介護」とは?|外国人を採用するための要件

・登録支援機関になるには? 申請方法から注意点まで徹底解説!

・特定技能「宿泊」とは?

・「技能実習」と「特定技能」の転職における条件と注意点を解説!

・「特定技能」外国人雇用の流れ

・「特定技能支援計画書」の記載方法は?

・「特定技能ビザ」と「就労ビザ(技人国)」の違い

・特定技能1号・2号の違いを踏まえた外国人採用の進め方

・「受入機関」と「登録支援機関」の違いは?

・特定技能「外食業分野」についてわかりやすく解説!

ビザ申請チャンネル(動画) :特定技能

・特定技能「介護」とは?

・特定技能の外国人は転職可能?

・特定技能制度|2025年4月からの変更点

・特定技能外国人の職種変更における主な注意点

・特定技能外国人の受け入れにおける登録支援機関の役割と責任

・特定技能所属機関による協力確認書の提出とは?

・特定技能1号から2号になるには?

・特定技能「工業製品製造業」分野とは?

・製造業特定技能協議会への入会は受入れ機関に必須か?

名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は、名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県を中心に、就労ビザ、帰化申請、身分系ビザ、経営管理ビザなどの申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。

記事一覧へ戻る