2027年(令和9年)4月1日より、従来の技能実習制度が発展的に解消され、新たな制度体系である「育成就労制度」が施行されます。これに伴い、これまで技能実習生の受け入れや指導を担ってきた「監理団体」は、新制度における支援・管理組織である「監理支援機関」へ移行・改組されることになります。
この改革は、単なる名称の改称にとどまりません。制度の目的が従来の「技術移転による国際貢献」から「人手不足分野における人材の育成および確保」へと大幅に転換されたためです。監理支援機関には、従来の「管理・監督(監理)」に加えて、外国人材の権利保護、日本語学習のサポート、キャリアステップ(特定技能1号への移行)や転籍の支援といった「伴走・支援」の機能が強く求められるようになります。
監理団体と監理支援機関の違い

監理団体から監理支援機関への移行における主な変更点を、以下に示します。
| 監理団体(技能実習制度) | 監理支援機関(育成就労制度) | 変更のポイント | |
|---|---|---|---|
| 根拠法令・目的 | 技能実習法 (国際貢献・技術移転) | 育成就労法 (人手不足分野の人材育成・確保) | 制度目的が「国際貢献」から「実態に即した人材確保・育成」へ完全転換 |
| 外部監査体制 | 選択制 (外部役員 または 外部監査人) | 全機関への設置義務化 (独立した外部監査人の設置が必須) | 外部役員枠が廃止され、第三者による中立的な外部監査を全面義務化 |
| 許可区分・期間 | 2区分 (一般5年 / 特定3年) | 区分を一本化 (初回3年/優良認定で更新時5年) | 許可区分が統合され、初回は全機関一律3年からのスタートに集約 |
| 常勤職員配置基準 | 明確な数値基準なし | 常勤2人以上 + 受入規模に応じた増員 (受入企業8者 / 外国人40人あたり1人以上) | 「ベース最低2人」に加え「担当規模に応じた比例配置」を必須化 |
| 受入機関の要件 | 1者のみでも可 | 原則2者以上 | 特定企業との親密関係や監理の形骸化(癒着)を防止 |
| 財務健全性 | 明確な基準なし | 直近決算で債務超過でないこと | 経営基盤の健全性を審査し、赤字累積による債務超過は許可不可 |
| 転籍(転職)支援 | 原則不可 (転籍支援の義務なし) | 条件付きで可能 (転籍支援業務が新たに義務化) | 本人意向転籍の導入に伴い、ハローワーク等と連携した調整業務が必須化 |
| 日本語学習支援 | 努力義務 | 業務・計画として明確化 (段階的試験合格への伴走支援) | 単なる講習にとどまらず、特定技能移行に向けた計画的な学習サポートを要件化 |
| 監理費の透明性 | 不透明なケースが存在 | 算出根拠・料金表の提出と明示を義務化 | 不当な手数料やキックバックを防止し、費用の内訳を公表・開示 |
| 新制度への移行 | — | 自動移行なし (全団体が新規に許可申請を行う) | 既存の監理団体の許可は引き継がれず、新たに審査・許可を取得する必要あり |