
日本で特定技能ビザをお持ちの方が、スキルアップやキャリアチェンジのために留学ビザへの変更を検討するケースが増えています。本記事では、特定技能ビザから留学ビザへの変更方法、必要な手続き、注意点について詳しく解説します。
変更理由

特定技能ビザから留学ビザへの変更を検討する理由は様々です。
◇ スキルアップや資格取得
専門学校や大学で学び、新しい分野でのキャリアを目指す。
◇ 日本語能力の向上
日本語学校でさらに高度な日本語スキルを習得する。
◇ 長期的な日本滞在
技術・人文知識・国際業務ビザや永住権の取得を目指す。
手続きの流れ
特定技能ビザから留学ビザへの変更手続きの流れについて、以下に示します。この変更は一般的に難易度が高く、イレギュラーな申請とされるため、慎重な準備が重要です。
説明 | 備考 | |
1. 学校の選定と入学手続き | ・ご自身の目標に合った教育機関(日本語学校、専門学校、大学など)を選定し、入学試験や面接に合格した上で、入学許可書を取得します。 | ・専門学校などへの入学では、通常、日本語能力試験N2以上または日本語教育機関での1年間以上の修了が日本語能力の条件として求められます。 ・入国管理局は教育機関の質も審査します。 |
2. 必要書類の準備 | ・入学許可書、パスポート、在留カード、現在の勤務先が発行する在職証明書、特定技能の資格証明書、そして在留資格変更許可申請書を準備します。 ・特に重要なのは、学費や生活費を十分に賄えることを証明する資金証明書(銀行残高証明書や学費支払証明書など)です。 ・就職経験がある場合、納税証明書なども求められることがあります。 | ・資金計画は厳しく審査されるため、不足がないよう準備が必要です。 |
3. 在留資格変更許可申請の提出 | ・必要書類を揃え、最寄りの地方出入国在留管理官署に申請します。申請は、変更の事由が生じたときから現在の在留期間満了日以前に行う必要があります。 | ・費用は許可時に収入印紙で納付。 ・標準処理期間は1か月程度です。 ・申請中も特定技能ビザでの活動を継続できます。 |
必要書類

特定技能ビザから留学ビザへの変更は、在留目的が就労から学業へと根本的に変わるため、入国管理局による慎重な審査が行われます。特に、資金証明の厳しさや学習計画の明確性が重視され、その結果、通常の留学ビザ申請よりも追加書類が求められたり、審査に時間がかかったりする場合があります。
必要な書類 | 準備の留意点 |
在留資格変更許可申請書 | ・法務省ウェブサイトで取得・記入。 |
写真 | ・指定規格で準備・添付。 |
パスポート、在留カード | ・提出時に提示。 |
入学許可書 | ・学校の試験合格後取得。 ・信頼できる学校選びが肝心です。 |
資金証明書(銀行残高証明書など) | ・学費・生活費の十分な資金を示す。 ・厳しく審査されます。 ・独立生計能力も考慮されます。 |
在職証明書 | ・特定技能での活動が適切か確認されます。 |
特定技能の資格証明書 | ― |
納税証明書など | ・就労経験がある場合必須。 ・未納は不許可要因となります。 |
学習目的を証明する書類 | ・留学理由と計画を具体的に説明。 ・活動が留学要件に合致か確認されます。 |
資格外活動許可申請書(必要に応じて) | ・留学ビザは週28時間までアルバイト可能。 ・希望なら同時申請できます。 |
注意点

特定技能ビザから留学ビザへの変更にはいくつかの重要な注意点があります。以下に主な注意点を示します。
注意点 | 内容 |
変更の難易度 | ・特定技能から留学への在留資格変更は、イレギュラーで難しいケースとされており、通常の申請よりも追加資料の要求や審査に時間がかかることがあります。 |
学習目的の明確化 | ・留学ビザへの変更を認めてもらうためには、学習の理由や具体的な学習計画が説得力を持って説明できることが重視されます。 |
十分な資金証明 | ・学費や日本での生活費を賄える十分な経済基盤があることを証明する必要があります。 ・過去に就労経験がある場合、納税証明書などの提出も求められることがあります。 ・資金証明は厳しく審査されます。 |
現行ビザの条件遵守 | ・現在の特定技能ビザでの活動が適切であり、法令違反がないことが求められます。 ・本来の在留資格に基づく活動を適切に行っていなかった場合、在留資格が取り消される可能性があります。 |
活動制限の理解 | ・留学ビザでは、原則として週28時間までのアルバイトが許可されています。 ・特定技能ビザのようにフルタイムで働くことはできません。資格外活動許可も同時に申請し、許可を受ける必要があります。 |
学校の選定 | ・入国管理局は留学先の教育機関の質も審査の対象とするため、信頼できる学校を選ぶことが重要です。 |
日本語能力要件 | ・専門学校などに入学する場合、多くは日本語教育機関での1年間の課程修了または日本語能力試験N2以上が日本語能力の条件となります。 ・特定技能ビザの取得にはN4以上が求められますが、留学先によってはより高いレベルが必要となるため、ご自身の日本語能力が留学先の要件を満たしているか確認が必要です。 |
速やかな申請義務 | ・在留資格変更許可申請は、新しい在留目的とする活動を開始する前に、在留期間満了日以前に速やかに行う必要があります。 ・申請から審査結果が出るまでに2週間~1か月程度かかることがあります。 |
まとめ
特定技能ビザから留学ビザへの変更は、適切な手続きを踏めば実現可能です。 準備不足や書類不備があると申請が却下される可能性もあるため、慎重に進めることが大切です。
ご参考:特定技能ビザの説明動画
ビザ申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。
ご参考:留学ビザの説明動画
ビザ申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。
・留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン
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