【事務所概要】

OSAHIRO行政書士事務所
代表者  長賀部 博之
所属   愛知県行政書士会 中央支部所属
資格   行政書士:日本行政書士会連合会 第24192755号

所在地  愛知県名古屋市千種区菊坂町1-7-1
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休業日  土日祝・夏季・年末年始

「技能実習」「特定技能」「育成就労」の違いとは?

「技能実習」「特定技能」「育成就労」の違いとは?

深刻な人手不足が続く現場を支える未経験の外国人採用は、「技能実習」の廃止「育成就労」新設で転換期を迎えます。

従来の技能実習が「国際貢献」目的で転籍不可だったのに対し、新制度の育成就労は「特定技能」への接続を見据えた「人材確保・育成」が目的で、一定条件下での転籍が可能です。

即戦力となる特定技能(1号:5年、2号:無期限)へ繋がりますが、留意点は実習ルートにあった「試験免除」が廃止され、日本語(N4等)と技能試験の合格が原則必須となる点です。

制度の比較表

各制度の最大の違いは、「一時的な技術修得」を目的とした技能実習「将来的な特定技能への移行を前提とした段階的な育成・確保」を目的とした育成就労「即戦力の労働者確保」を目的とした特定技能という、その制度設計の趣旨にあります。

技能実習制度
(現行/2027年終了)
育成就労制度
(2027年4月開始)
特定技能制度
(1号・2号)
制度の主目的技能移転による国際貢献・人づくり人材育成と人材確保(特定技能への接続)即戦力となる外国人労働者の受け入れ
在留資格・期間1号〜3号合わせて最長5年在留資格「育成就労」・原則3年(※不合格時最長1年延長可)1号:通算5年
2号:上限なし(永住可)
転職(転籍)の可否原則として不可条件を満たせば同一業務区分内で本人意向による転籍可同一特定産業分野内(職種内)等で自由
就労前日本語能力原則不要(※介護職種のみN4相当)CEFR A1相当以上(JFT N5や講習受講)N4相当以上(試験合格必須)
修了・移行時要件(実習終了時に帰国するのが基本設計)日本語A2(N4)合格+技能検定3級相当合格1号→2号:熟練技能試験合格+日本語B1相当
家族帯同の可否不可不可1号:不可 / 2号:可能(配偶者と子)
受入れ人数制限常勤職員数に応じた制限あり常勤職員数に応じた制限あり原則制限なし(※介護、建設分野除く)
監理・支援団体監理団体監理支援機関(外部監査が厳格化)登録支援機関
対象分野・区分約90職種・160作業以上の限定的な作業17分野(特定技能の業務区分に準拠)19分野

「技能実習」から「育成就労」への制度移行スケジュールと経過措置

長年運用された「技能実習制度」は、制度目的(国際貢献)と労働力確保の実態との乖離、転籍制限に伴う人権侵害リスクを解消するため、抜本的に改められます。

◇ 完全施行日と併存期間
育成就労制度は令和9年(2027年)4月1日に施行されます。
施行後は、激変緩和措置として3年間の移行期間が設けられ、2030年頃までは「技能実習生」と「育成就労外国人」が現場に併存・混在することになります。

◇ 既存技能実習生の救済・継続措置
施行日(2027年4月1日)時点で現に技能実習中の外国人は、そのまま現行ルールのままで技能実習(1号から2号、3号への移行含む)を継続できます。また、施行前に申請された技能実習計画(開始が2027年6月30日までのもの)によって入国した者も同様に「技能実習」の資格が適用されます。

◇ 「技能実習3号」への移行期限
育成就労制度開始後に技能実習2号から3号へ移行するには、「2027年4月1日時点で、技能実習2号の活動を1年以上行っていること」が求められます。このため、実質的に3号へ進むためには、遅くとも令和8年(2026年)4月1日には2号の活動(在留資格変更許可)を開始している必要があります。

「育成就労」から「特定技能1号」への移行における3つの重要変更点

従来の技能実習ルートと比較した際、新制度における最大の変更点は以下の3点です。

◇「試験免除(無試験移行)」の完全廃止
従来の技能実習生は、同一職種・作業の特定技能1号へ移行する場合、日本語・技能試験ともに「免除」されていました。 しかし育成就労制度ではこの免除ルートが廃止され、特定技能1号への移行にあたっては「原則として全員が技能試験および日本語試験に合格すること」が必須要件となります。

◇ 段階的な日本語能力要件の義務化
育成就労期から、段階的な学習と受験が義務付けられます。

就労開始前:日本語能力A1相当以上(JLPT N5相当以上または相当講習の受講)

1年経過時:日本語能力A1相当以上の評価実施(試験受験)

3年終了時(特定技能1号移行時):日本語能力A2相当以上(JLPT N4またはJFT-Basic等。当分の間は「相当講習」の受講でも移行可能)

◇ 途中合格者における「3年未満での途中移行」の許容
原則は3年間の育成計画ですが、優秀な外国人材が3年未満の途中で特定技能1号に必要な試験(技能・日本語)に合格し、かつ転籍制限期間と同様の一定の在籍期間を経過している場合、育成就労の途中であっても特定技能1号へ移行できる枠組みが設けられています。

重要ポイント:令和8年1月閣議決定

令和8年1月23日の閣議決定(分野別運用方針)により、実務運用に関わる重要な基準が確定しました。

◇ 特定技能「19分野」・育成就労「17分野」の確定と業務区分の明確化
令和8年1月の閣議決定により、特定技能に「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野が新たに追加され、全19分野となりました。

育成就労についても派遣・運転免許等の関係上適さない「自動車運送業」と「航空」を除く「17分野」が育成就労産業分野として正式に設定されました。従事できる業務範囲は特定技能の業務区分と同一となり、「主たる技能」を定めて一貫した育成を行います。

◇ 分野別「転籍(転職)制限期間」の決定(1年〜2年)
育成就労中の本人の希望による転籍(転職)には制限期間があり、分野の特性に応じて「1年」か「2年」に分かれます。農業や宿泊等は1年、介護や建設等は2年働くことで、試験合格等の条件を満たせば転籍できます。

2年制限分野:介護、ビルクリーニング、建設、造船・舶用工業、自動車整備、工業製品製造、鉄道、飲食料品製造、資源循環など

1年制限分野:宿泊、農業、漁業、外食業、林業、木材産業、リネンサプライ、物流倉庫

◇ 育成途中移行時における「分野間転籍制限」の見通し「育成就労の途中(3年未満)で特定技能1号に移行する際、他分野の他社へ転籍できるか」という点について、現時点では公式に「未決定」とされています。

しかし、特定の育成分野(例:農業など)から異分野(例:外食業など)への急激な人材流出を防ぐため、「同一の業務区分(職種)内に限る」という強い転籍制限(規制)が適用される可能性が極めて高いと分析されており、実務上の留意が必要です。

「特定技能1号」へ移行する際の要件比較

技能実習と育成就労から特定技能1号へ移行する際の実務要件(試験免除の有無、転籍制限など)の違いを整理・比較した表です。

【従来の経過措置】
技能実習生からの「特定技能1号」移行
【2027年4月開始の新制度】
育成就労生からの「特定技能1号」移行
制度の根本目的技術移転による国際貢献(原則は実習後に帰国)国内の人手不足分野における「人材育成と確保」
移行時の技能要件技能実習2号の「良好な修了」技能検定3級相当 または 特定技能1号評価試験の合格
移行時の日本語要件原則不要(※介護職種などの例外を除く)日本語能力A2相当以上(JLPT N4等)の試験合格(※当分の間は相当講習でも可)
試験免除の適用あり(同職種・関連作業への移行は技能・日本語ともに免除)なし(原則として、全員が技能・日本語試験の合格必須
育成途中での移行原則不可(3年間の計画修了が前提)可能(一定期間の在籍かつ早期に試験合格することが条件)
転籍(転職)制限やむを得ない事情(ハラスメント等)を除き原則不可転籍制限期間(1〜2年)経過や試験合格等で、本人意向による他社への転籍が可能
不合格時の救済措置書類遅延等で合理的な理由がある場合、「特定活動(4ヶ月・就労可)」で準備再受験のため、同一受入機関での就労を条件に「最長1年間」の在留継続が可能
最新法令の適用範囲旧14分野に紐づく移行対象職種・作業令和8年1月閣議決定:新設3分野を含む「17分野」に対応

まとめ

新制度への移行は、「ただ3年間真面目に在籍すれば自動的に特定技能へ移行できる」という時代が終わることを意味します。

企業側は、外国人材が3年以内に確実に特定技能1号へステップアップできるよう、「2年目終了時等からの計画的な受験(早期チャレンジ)」に向けた日本語学習支援や試験スケジュール設計を主導していく必要があります

同時に、1〜2年での本人意向による転籍リスクに備え、特定技能、さらにはその先の「特定技能2号(家族帯同可、在留上限なし)」までを見据えた中長期のキャリアパスと待遇向上モデルを早期に提示し、選ばれる企業としての環境を整備することが、人材定着における最重要の経営課題となります。

名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。

ご参考:ビザ申請ポイント

特定技能ビザは、外国人が日本で即戦力として働ける制度です。試験合格や職種適合など厳格な条件があり、申請ミスや不備があると不許可のリスクもあります。正確な手続きが成功のカギです! ビザ申請の概要や注意点をわかりやすくご紹介します。

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