
配偶者ビザ(正式名称:「日本人の配偶者等」の在留資格)の更新は、在留期間満了後も日本に滞在し続けるために非常に重要な手続きです。在留期間の満了日までに更新申請を行わないと、不法残留となり強制退去の対象となる可能性がありますので、注意が必要です。
配偶者ビザの更新は、在留期間が満了する3ヶ月前から申請可能です。審査期間は通常2週間から1ヶ月程度とされていますが、申請内容によっては2ヶ月以上かかることもあります。更新後の在留期間は「6ヶ月」「1年」「3年」「5年」のいずれかが付与されます。特に、将来的に永住許可申請を検討している場合は、3年以上の在留期間を目指すことが推奨されます。
配偶者ビザ更新に必要な書類

配偶者ビザの更新申請には、以下の書類が必要です。
必要書類 | 説明 |
在留期間更新許可申請書 | ・最新の申請書を入国管理局のウェブサイトからダウンロードして使用してください。 ・オンライン申請の場合、「身分事項&活動に関する事項」は「交付申請書」や「変更/更新許可申請書」の内容とリンクしているため、すでに作成済みの場合は、そこからコピー&ペーストで入力できます。 ・4枚綴りの申請書のうち、通常2枚目(就労・留学ビザ用)は提出不要です。 |
写真(縦4cm×横3cm) | ・申請前3ヶ月以内(オンライン申請の場合は6ヶ月以内)に撮影された、無帽・無背景で鮮明なものを使用します。以前の在留カードやパスポートと同じ写真は撮り直しを求められることがあります。 ・裏面に申請人の氏名を記入し、申請書に貼付します。オンライン申請の場合は、3:4の比率に調整し、容量が50KBを超えないように注意してください。 |
パスポート | ・申請時に提示が必要です。旅券番号と有効期限を正確に記入します。 |
在留カード | ・申請時に提示が必要です。在留カード番号、現有在留資格、在留期間、在留期間満了日を確認しながら記入します。 |
配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書) | ・申請人との婚姻事実が記載されたもので、発行日から3ヶ月以内のものを提出します。 |
日本での滞在費用を証明する資料 | ・主たる生計維持者(通常は日本人配偶者)の直近1年分の住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書(1年間の総所得と納税状況が記載されたもの)を各1通提出します。 ・これらで滞在費用を証明できない場合は、預貯金通帳の写しや雇用予定証明書、採用内定通知書などを提出します。 |
配偶者(日本人)の身元保証書 | ・日本に居住する日本人配偶者が身元保証人となります。 ・所定のフォーマットをダウンロードして記入します。 |
配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し | ・個人番号(マイナンバー)の記載は省略し、発行日から3ヶ月以内のものを提出します。 ・夫婦が同じ住民票に記載されていることが重要です。 |
質問書 | ・更新申請では基本的に不要とされていますが、再婚した場合や状況が大きく変わった場合など、実質的に新規申請と同様の審査が行われる際には、提出を求められるか、提出が推奨されます。 |
スナップ写真(夫婦で写っているもの) | ・夫婦で写っており、容姿がはっきりと確認できるものを複数枚用意します。 ・特にオンライン申請では、アプリ等で加工した写真は不可とされています。 |
理由書 | ・必須書類ではありませんが、前回の更新時から婚姻や生活状況が変わった場合(例:転職、失業、別居など)や、3年以上の在留資格を希望する場合には、状況を説明するために提出が強く推奨されます。 ・他の提出書類との内容に矛盾がないように注意して作成してください。 |
その他(状況に応じた追加書類) | ・転職・失業、個人事業主・フリーランスになった場合など、申請人の状況に応じて、内定通知書、在職証明書、給与明細、預金通帳の写し、税務署への開業届、確定申告書などを追加で提出し、婚姻生活の安定性や経済基盤をアピールすることが重要です。 ・オンライン申請の場合、WordやExcelデータはPDFに変換し、すべての申請書類を1つのPDFにまとめてアップロードする必要があります。10MB以上のファイルは工夫が必要です。 |
不許可とならないための注意点

配偶者ビザの更新が不許可となる主な原因と、それを避けるための注意点は以下の通りです。
◇ 虚偽の申告をしないこと
申請書類に嘘や矛盾した内容を記載することは絶対に避けてください。たとえ軽微な間違いでも「虚偽の申告」と見なされると、即座に不許可となる可能性が高く、その事実はデータとして永久に保存され、将来のビザ申請にも悪影響を及ぼします。正直かつ正確な情報を提供することが最も重要です。
◇ 安定した婚姻生活を継続していること
配偶者ビザは「日本人の配偶者等」という身分に基づくため、夫婦が同居し、互いに協力・扶助し、生計を共にしていることが基本条件です。単身赴任、病気、親の介護などやむを得ない事情で同居が難しい場合は、それを証明できる書類(例:高速道路の領収書、医師の診断書、在監証明書など)を提出し、合理的な理由を明確に立証する必要があります。
◇ 公的義務をきちんと履行していること
日本での生活において、住民税などの税金や社会保険料を期限内に納付していることが求められます。未納や遅延の履歴は不許可の一因となるため、更新前に必ず確認し、必要に応じて対応してください。
◇ 十分な経済力があること
夫婦の生活を維持するための安定した収入が必要です。明確な基準はありませんが、月額20万円以上、または年収250万円が目安と言われることもあります。収入が低い場合でも、預貯金や両親からの援助、内定通知書などで今後も安定した生活ができる見込みを具体的に示すことができれば、許可される可能性はあります。
◇ 入管法上の届出義務を履行していること
住所変更や配偶者との離婚・死別があった場合、14日以内に地方出入国在留管理局または市区町村役場に届け出る義務があります。これらの届出を怠ると、在留資格取り消しの対象となる可能性もあるため、注意が必要です。
◇ 配偶者が変わった場合の更新について
前回のビザ取得後に離婚し、別の日本人と再婚した場合でも、手続き自体は「在留期間更新許可申請」となります。しかし、審査内容や求められる書類は新規申請と同レベルとなり、新しい配偶者との交際経緯や結婚に至るまでの事情について、合理的で矛盾のない説明が求められます。
これらの点を踏まえ、余裕をもって正確な書類を準備し、申請に臨むことが、配偶者ビザ更新を成功させる鍵となります。
ご参考:身分系ビザ(配偶者|定住者|永住者)の説明動画
ビザ申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。
配偶者ビザ
定住者ビザ
永住者ビザ
名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。