「民泊」と「簡易宿所」の違いとは?

民泊を始めるにあたって、住宅宿泊事業法(民泊新法)旅館業法に基づく簡易宿所営業のどちらを選ぶべきか迷っていませんか? それぞれの違いを具体例や比較表を用いてわかりやすく説明します。

「住宅宿泊事業法(民泊新法)」と「簡易宿所営業」の違い

住宅宿泊事業法(民泊新法)簡易宿所営業
手続き届出(都道府県知事等)許可(都道府県知事(保健所を設置する市、特別区を含む))
根拠法住宅宿泊事業法旅館業法
宿泊日数制限年間180日以内。条例による制限がある場合あり6。制限なし
立地制限原則制限なし。ただし、自治体の条例による制限がある場合あり。住居専用地域、工業地域など原則不可。旅館・ホテルが建てられる地域。例外として特別用途地区あり。
建築基準法上の主要用途一戸建ての住宅、共同住宅、寄宿舎、長屋テルまたは旅館
用途変更不要場合によっては必要。用途を「旅館・ホテル」に変更する必要あり。
消防用設備等必要。ただし、家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は免除される設備もある。必要
宿泊者への対応宿泊者名簿の作成・保管が必要。
・対応言語は宿泊予約時点で対応可能と提示した言語。
・クレーム対応者は事業主または家主(同居型の場合)。
・不在時の管理業者への委託義務あり。
宿泊者名簿の作成・保管が必要。
フロント設置義務原則不要。ただし、条例で義務付けている自治体もある。収容定員が10人未満の施設で要件を満たす場合は不要に緩和
その他の特徴簡易宿所営業に比べて手続きが簡易
・住宅として扱われるため、建築課との協議が不要
・地域の実情を反映する仕組みがある(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)
・住宅宿泊事業者は、事業に関する情報の収集に努めるとともに、行政機関が実施する研修会を受講すること
・宿泊事業だけで運営したいと考えている方におすすめ
・ホテルや旅館と同様の扱いを受けるため、開業する際には用途地域の確認が必要
・バリアフリー条例の適用(京都市)
その他2ヶ月ごとに専用サイトからの定期報告が義務定期報告は不要
周辺住民への配慮・民泊事業を始める際は必ず周辺住民への周知を行う。
・騒音配慮やゴミ出しに関するルールを利用客にしっかり伝える。
周辺住民への配慮は重要。
補助金新事業進出補助金が使える場合がある。
・建物費、運営に必要な設備投資も補助対象になる可能性。
・地域活性化につながる事業として評価されやすい。
事業再構築補助金が使える場合がある。

どんな場合にどちらを選ぶべき?

空き家や別荘を有効活用したい

◇ 住宅宿泊事業法(民泊新法)
手続きが比較的簡単で、住宅専用地域でも営業可能です。ただし、年間180日の営業日数制限があります。

年間を通して民泊事業で収益を上げたい

◇ 簡易宿所営業
年間の営業日数に制限はありません。ただし、許可取得のハードルが高く住居専用地域では営業できません

外国人観光客をターゲットにしたい

◇ 簡易宿所営業
旅館業法に基づいており、宿泊施設としての信頼性が高いです。

◇ 住宅宿泊事業法(民泊新法)
インバウンド向け民泊限定で事業再構築補助金成長枠の対象になった事例もあります。

地域との交流を重視したい

◇ 住宅宿泊事業法(民泊新法)
地域住民との交流を促進するような取り組みを行うことで、地域活性化に貢献できます。

新事業進出補助金の活用

新事業進出補助金は、新たな事業分野への進出を支援する制度です。 民泊事業も対象となる可能性があり、初期費用を抑えるために活用を検討しましょう。

補助対象となる経費

建物費(改修費、取り壊し費用など)

機械装置・システム構築費(自動チェックイン機など)

専門家経費

広告宣伝費

補助額

◇ 従業員数によって異なり、最大9,000万円

申請のポイント

地域経済への貢献度をアピールする

明確な事業計画を立てる

注意点

各自治体の条例を確認する

◇ 民泊に関する規制は、国だけでなく自治体によっても異なります。事前に必ず確認しましょう。

消防法・建築基準法を遵守する

◇ 安全な施設運営のために、法令を遵守しましょう。

まとめ

住宅宿泊事業法(民泊新法)簡易宿所営業には、それぞれメリット・デメリットがあります。 ご自身の状況や目的に合わせて、最適な方を選択しましょう。 新事業進出補助金を活用することで、初期費用を抑えながら民泊事業を始めることができます。

名古屋の「OSAHIRO行政書士事務所」では、民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づいた届出をはじめ、様々なご相談をお受けいたします。ご不明なことがありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。