2025年以降も使える!民泊の補助金活用ガイド

民泊を始めたいけど、初期費用が気になる… とお悩みではありませんか?
実は、民泊の種類や用途に応じて、様々な補助金を活用できる可能性があります。 このブログでは、2025年以降も使える可能性のある補助金について、民泊の種類別に詳しく解説します。過去の採択事例や、具体的な活用用途もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

民泊事業

民泊事業は、大きく分けて以下の3種類があります。

民泊新法(住宅宿泊事業)

旅館業法上の許可は不要ですが、都道府県知事への届出が必要です。

◇ 年間営業日数に上限があります(年間180日まで)。

簡易宿所営業

旅館業法の許可が必要ですが、民泊新法のような営業日数の制限はありません

◇ 客室延べ床面積が33平方メートル以上などの要件があります(宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積以上)。

特区民泊

国家戦略特別区域内でのみ認められる民泊で、一定の要件を満たす必要があります。

地域活性化を目的としており、外国人観光客の宿泊ニーズに対応します。

民泊向け補助金の種類と用途

民泊に活用できる補助金は、主に以下のものが挙げられます。

小規模事業者持続化補助金

民泊事業の開始や強化を検討されている方にとって、初期費用は大きな課題です。2025年に向け、国が提供する「小規模事業者持続化補助金」は、その負担を軽減する有効な手段となります。本制度は、小規模事業者の販路開拓や生産性向上への取り組みを支援することを目的としています。

申請要領(2025年)

この補助金は、特に宿泊業の場合、常時使用する従業員が20人以下の小規模事業者が対象です。個人事業主も申請が可能です。

2025年度からは「創業型」「共同・協業型」「ビジネスコミュニティ型」といった新設枠も加わり、より幅広い事業を支援します18。 採択率は直近で30%台に減少傾向ですが、2025年度は予算増額に伴い、採択件数が増加する見込みです(3万件予定)。主な要件と補助内容は以下の通りです。

項目内容(通常枠)
補助対象者・宿泊業の場合、従業員20人以下の小規模事業者
補助上限額・50万円(特例活用で最大250万円)
補助率・2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者には3/4)
申請要件・経営計画の策定19、賃上げ要件1011、GビズIDプライムアカウントの取得

用途例(民泊事業)

民泊運営において、この補助金は多岐にわたる経費に活用できます。

◇ 販路開拓・集客強化
広告宣伝費、ウェブサイト関連費、展示会出展費など。

◇ 業務効率化・設備導入
水回り設備設置の外注費、エアコン・空気清浄機設置。オンライン予約・決済システム、セルフチェックイン・キーレスシステム、清掃ロボットなどのITツール導入。

注意点

建物費自体は補助対象外です。リフォーム費用は、対象経費に含まれる外注費や借料として認められる可能性があります。申請にはGビズIDプライムアカウントの早期取得と、明確な事業計画の策定が重要です。この機会に、民泊事業のさらなる発展を目指しましょう!

中小企業新事業進出補助金

中小企業新事業進出補助金は、人手不足や賃上げなどの経済環境の変化に対応し、中小企業が新しい市場や高付加価値事業へ進出する際に活用できる補助金です。補助上限額は最大9,000万円(大幅賃上げ特例適用時)補助率は1/2と、非常に手厚い支援が特徴です。

しかし、民泊事業への活用については、一部の専門家から「特定の第三者に長期間賃貸させるような事業は補助対象外となる可能性が高い」との指摘があり、公募要領案にも同様の内容が示されています。 一方で、別の見解としては、従来の事業再構築補助金で民泊事業が補助対象となっていたこと、訪日外国人観光客の増加に伴うインバウンド需要の高まりやホテル不足の現状、そして地域経済への貢献度が高いことから、民泊事業も補助対象となる可能性は十分にある、とされています。 申請を検討される際は、必ず最新の公募要領で詳細を確認してください。

申請要領

補助対象者は、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等です。申請には、以下の基本要件をすべて満たす3~5年の事業計画に取り組む必要があります。

◇ 付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加

◇ 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、または給与支給総額の年平均成長率が+2.5%以上増加

◇ 事業所内最低賃金が、事業実施都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準

◇ 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表

◇ 金融機関等からの資金提供を受ける場合は、事業計画の確認を受けていること

補助対象経費

補助対象経費は、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費と多岐にわたります。ただし、建物費または機械装置・システム構築費のいずれかが必須です。補助下限額は750万円です。

従業員数(常勤)補助上限額(通常)補助上限額(大幅賃上げ特例)補助率
20人以下2,500万円3,000万円1/2
21~50人4,000万円5,000万円1/2
51~100人5,500万円7,000万円1/2
101人以上7,000万円9,000万円1/2

スケジュール

中小企業新事業進出補助金は、第1回公募以降も複数回の公募が継続的に実施されることが予想されています。予測される年間スケジュールは以下の通りです。

時期フェーズ詳細(新事業進出補助金)
2025年1~3月公募要領公開

事前準備フェーズ
・第1回公募要領の公開(2025年3月頃)。

・GビズIDプライムアカウントの取得(1日~2週間)

・一般事業主行動計画の策定/公表(10日~2週間)など申請に必要な事前準備が推奨されます。
2025年4~6月第1回公募開始

申請受付フェーズ
・公募開始日:2025年4月22日(火)。

・申請受付開始:2025年6月頃(予定)。
2025年7~9月第1回申請締切

審査フェーズ
・申請締切日:2025年7月10日(木)18時。

・審査期間に入ります。
2025年10~12月第1回採択発表

第2回公募開始(予測)
・第1回採択結果発表:2025年10月頃(予定)。

・第2回公募開始:2025年10月中旬頃。

・第2回申請締切:2025年12月中旬~下旬頃(予測)。

用途例(民泊事業との関連)

本補助金は、建築・購入した施設や設備を自己が占有せず、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業は対象外とされています。このため、一般的な民泊事業での申請は難しいと予想されています。

しかし、過去の事業再構築補助金では、観光需要の回復やホテル不足を背景に、外国人観光客向けの宿泊事業や体験型観光施設の整備が採択された事例もありました。中小企業庁が発表している活用イメージとしては、機械加工業が半導体製造装置部品の製造に挑戦する、医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設しウイスキー製造業に進出するなどが挙げられています。

一般的な民泊経営での活用は難しいとされますが、既存事業のノウハウを活かした新市場・高付加価値事業への挑戦、例えば「特定のテーマ性を持つゲストハウス開業」など、賃貸目的ではなく、事業者が直接運営・管理を行う宿泊施設事業であれば、過去の補助金採択事例が参考になる可能性があります。

中小企業成長加速化補助金

◇ 概要

売上高100億円を目指す中小企業を支援する補助金で、工場新設ソフトウェア導入など大胆な設備投資が対象です。

◇ 対象: 売上高100億円への飛躍的成長を目指す中小企業

◇ 補助上限額: 5億円

◇ 補助率: 1/2

◇ 対象経費
建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費

◇ 用途例

•大規模な宿泊施設の建設や増築

•業務効率化のためのITシステム導入

IT導入補助金

概要

ITツール導入による業務効率化生産性向上を支援する補助金

◇ 対象: 中小企業・小規模事業者

◇ 補助上限額: 450万円

補助率: 1/2~4/5

◇ 対象経費: ソフトウェア、導入関連費

◇ 用途例

•オンライン予約システムや顧客管理システムの導入

•スマートロックやセルフチェックインシステムの導入

•多言語対応の翻訳ツールの導入

中小企業省力化投資補助金

◇ 概要

人手不足解消に効果のある省力化製品の導入を支援する補助金

◇ 対象: 中小企業・小規模事業者

◇ 補助上限額

従業員数に応じて異なり、5人以下で200万円、21名以上で1,000万円(賃上げ要件達成で上限額アップ)

◇ 補助率: 1/2以下

◇ 対象経費省力化製品の設備投資

◇ 用途例

•清掃ロボットや配膳ロボットの導入

•自動チェックイン機の導入

•スマートホーム化による省エネ化

過去の採択事例

事業再構築補助金

◇ カフェ併設型ゲストハウスの開業

外国人観光客向けの宿泊事業や体験型観光施設の整備

小規模事業者持続化補助金

◇ 地域資源を活かした体験型民泊プランの開発

2025年度以降の採択可能性

2025年度は、事業再構築補助金の後継となる中小企業新事業進出補助金中小企業成長加速化補助金といった新たな補助金制度が注目されています。 これらの補助金は、新分野への挑戦事業規模の拡大を目指す事業者を支援するものであり、民泊事業においても、

◇ インバウンド需要に対応した施設改修

◇ 地域活性化に貢献する新たなサービスの開発 といった取り組みが採択される可能性があります

補助金申請の注意点

◇ GビズIDプライムアカウントの取得
補助金申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。事前に取得しておきましょう。

◇ 事業計画の策定
補助金ごとに要件が異なるため、自社の事業計画に合った補助金を選ぶことが重要です。

まとめ

2025年度以降も、民泊事業に活用できる補助金は多数存在します。 それぞれの補助金の要件対象経費を理解し、自社の事業計画に合った補助金を活用することで、初期費用を抑え事業の成長を加速させることができます。

参考:民泊申請の説明動画

民泊申請の概要、注意点について、動画でわかりやすくご紹介します。

2025年以降も使える!民泊の補助金活用ガイド

・民泊新法と旅館業法の違い

・名古屋市旅館業法施行条例等の改正:25年4月

・民泊新法から旅館業への転換

・旅館業における建築基準法

・旅館業における常駐義務

・民泊に必要な消防設備

・民泊ができる用途地域とは?

・民泊運営における建築基準法

・民泊の駆けつけ要件

参考:補助金申請の説明動画

補助金申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。

中小企業新事業進出補助金とは?

小規模事業者持続化補助金とは?

中小企業成長加速化補助金とは?

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