住宅宿泊事業は、旅館業の許可とは異なり届出となっています。厳密に言えば、届出をした後は、即日営業開始が可能になるはずですが、住宅宿泊事業法では都道府県知事より通知される「届出番号」を記した標識を掲げる義務があり、実際には許可に近い運用です。
Step1)事前相談
自身が行いたい事業が住宅宿泊事業法の定める要件をクリアできるのか、営業開始前、営業開始後にどのような点に注意すれば良いのかなどを届出窓口に相談しておく必要があります。届け出る住宅の所在地によって、窓口が変わります。
Step2)要件の確認と工事
法律、施行規則、省令、ガイドライン、条例を前提に事前相談で明らかになった諸条件をクリアできるように体制構築、工事、その他の準備を行います。
Step3)安全確保措置状況のチェックと周辺住民等への事前周知
騒音の防止のために配慮すべき事項、ごみ処理に関し配慮すべき事項、火災の防止のために配慮すべき事項等について、事業を営むとする住宅の周辺住民等に書面等により事前周知が必要です。自治体によっては、周辺住民への事前説明について、期限を定めている自治体もありますので、注意が必要です。
Step4)消防検査と適合通知書の交付
家主不在、又は宿泊室の床面積50㎡を超える建物は、消防法令上の防火対象物として判定され、消防用設備の設置が必要となります。この判定には、建物の規模、面積等を示す詳細な図面が必要です。これらの措置を講じた後、所管の消防署の検査を経て、消防法令適合通知書の交付を受ける必要があります。なお床面積50㎡未満でも、ある程度の設備設置や避難経路図の表示、検査を経て消防法令適合通知書の交付は受ける必要があります。
Step5)必要書類の収集
届出事項(届出書)と添付資料(法人、個人)は以下です。
自治体によって異なる場合があるので、詳しくは所管の届出窓口に確認する必要があります。
■届出事項(届出書) | |
1 | 商号、名称又は氏名、住所 |
2 | 【法人】役員の氏名 |
3 | 【未成年】法定代理人の氏名、住所 (法定代理人が法人の場合は、商号又は名称、住所、役員の氏名) |
4 | 住宅の所在地 |
5 | 営業所又は事務所を設ける場合は、その名称、所在地 |
6 | 委託をする場合は、住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、登録年月日、登録番号、管理受託契約の内容 |
7 | 【個人】生年月日、性別 |
8 | 【法人】役員の生年月日、性別 |
9 | 未成年の場合は、法定代理人の生年月日、性別 (法定代理人が法人の場合は、役員の生年月日、性別) |
10 | 【法人】法人番号 |
11 | 住宅宿泊管理業者の場合は、登録年月日、登録番号 |
12 | 連絡先 |
13 | 住宅の不動産番号 |
14 | 住宅宿泊事業法施行規則第2条に掲げる家屋の別 |
15 | 一戸建ての住宅、長屋、共同住宅又は寄宿舎の別 |
16 | 住宅の規模 |
17 | 住宅に人を宿泊させる間不在とならない場合は、その旨 |
18 | 賃借人の場合は、賃貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨 |
19 | 転借人の場合は、賃貸人と転貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨 |
20 | 区分所有の建物の場合、管理規約に禁止する旨の定めがないこと管理規約に住宅宿泊事業について定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がない旨 |
■届出に必要な添付書類(法人) | |
1 | 定款又は寄付行為 |
2 | 登記事項証明書 |
3 | 役員が、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書 |
4 | 住宅の登記事項証明書 |
5 | 住宅が「入居者の募集が行われている家屋」に該当する場合は、入居者募集の広告その他それを証する書類 |
6 | 「随時その所有者、賃借人又は転借人に居住の用に供されている家屋」に該当する場合は、それを証する書類 |
7 | 住宅の図面(各設備の位置、間取り及び入口、階、居室・宿泊室・宿泊者の使用に供する部分の床面積) |
8 | 賃借人の場合、賃貸人が承諾したことを証する書類 |
9 | 転借人の場合、賃貸人及び転貸人が承諾したことを証する書類 |
10 | 区分所有の建物の場合、規約の写し |
11 | 規約に住宅宿泊事業を営むことについて定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がないことを証する書類 |
12 | 委託する場合は、管理業者から交付された書面の写し |
13 | 欠格事由に該当しないことを誓約する書面 |
■届出に必要な添付書類(個人) | |
1 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書 |
2 | 未成年者で、その法定代理人が法人である場合は、その法定代理人の登記事項証明書 |
3 | 欠格事由に該当しないことを誓約する書面 |
4 | 住宅の登記事項証明書 |
5 | 住宅が「入居者の募集が行われている家屋」に該当する場合は、入居者募集の広告その他それを証する書類 |
6 | 「随時その所有者、賃借人又は転借人に居住の用に供されている家屋」に該当する場合は、それを証する書類 |
7 | 住宅の図面(各設備の位置、間取り及び入口、階、居室・宿泊室・宿泊者の使用に供する部分の床面積) |
8 | 賃借人の場合、賃貸人が承諾したことを証する書類 |
9 | 転借人の場合、賃貸人及び転貸人が承諾したことを証する書類 |
10 | 区分所有の建物の場合、規約の写し |
11 | 規約に住宅宿泊事業を営むことについて定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がないことを証する書類 |
12 | 委託する場合は、管理業者から交付された書面の写し |
Step6)届出書の作成と提出
届出書を作成し、添付書類を添えて届出住宅を所管する届出窓口へ提出します。
Step7)通知書の受領と営業開始
都道府県知事より届出番号が記載された通知書が発行されるので、標識を公衆の見やすい場所に掲示し、営業を開始します。
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