「技術・人文知識・国際業務」のビザで転職する時に必要なこと

「技術・人文知識・国際業務」ビザ(以下、「技人国ビザ」と略記)を持つ外国人が転職する際には、様々なケースが考えられます。どのような場合にどのような手続きが必要になるのか説明します。

転職時に必ず行う手続き

転職後14日以内に、入管に「所属機関に関する届出」を行う必要があります。

◇ 届出を怠ると、20万円以下の罰金や、次回のビザ更新時に不利になる可能性があります。

◇ 届出は義務であり、オンライン、郵送、または地方出入国在留管理官署の窓口で行うことができます。

◇ これらの届出は入管法に定められた義務です。

届出の種類

◇ 契約機関との契約が終了した場合の届出:会社を辞めた場合

◇ 新たな契約機関と契約を締結した場合の届出:新しい会社に入社した場合

◇ 契約終了と新たな契約締結の届出:退職日と入社日の間隔が短い場合

◇ 契約機関の名称変更・所在地変更・消滅の場合の届出:会社の情報が変わった場合

転職の内容によって異なる手続き

職務内容に変更がない場合

例えば、現在「技人国ビザ」で「通訳」の仕事をしている外国人が、別の会社に転職し、同じ「通訳」の仕事を行うケースです。

◇ 「就労資格証明書」の取得が推奨されます。

就労資格証明書は、転職後の業務内容が、現在のビザで認められている活動範囲内であることを証明するものです。

•取得しておくと、将来のビザ更新がスムーズに進む可能性が高まります。

就労資格証明書義務ではありません

職務内容が変更になる場合

職務内容は変わったが、同じ種類の就労ビザの範囲内の業務内容の場合

例えば、現在「技人国ビザ」で「通訳」の仕事をしている外国人が、別の会社に転職し、「ITエンジニア」の仕事を行うケースです。

「就労資格証明書」の取得が強く推奨されます。

◇ 同じ「技人国ビザ」の範囲内でも、学歴や職歴によって可能な業務が変わるため、事前に確認しておくことが重要です。

◇ 数年後のビザ更新時に、業務内容が認められず更新不許可になるリスクを避けることができます

職務内容が変わり、現在持っている就労ビザの範囲の仕事ではない場合

例えば、現在「技人国ビザ」で「マーケティング」の仕事をしている外国人が、別の会社に「代表取締役」として転職し、「経営・管理」ビザに該当する仕事を行うケースです。

◇ 事前に必ず「在留資格変更許可申請」を行う必要があります。

変更許可を受ける前に新しい在留資格にあてはまる仕事をしてしまうと、資格外活動として違反を問われ在留資格の変更が認められない

就労資格証明書とは

就労資格証明書は、現在取得している在留資格が、転職先での業務内容に該当していることを証明するための書類です。

「就労資格証明書」は「所属機関に関する届出」と違い義務ではありません

◇ 転職時の就労資格証明書の取得は義務ではありません。

就労資格証明書を取得しておいた方が良いケース

転職後に業務内容が大きく変わる場合

在留期間更新許可申請時の手続きを不安なくスムーズに終えたい場合

企業のコンプライアンスの一環として

転職の際の注意点

「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)の在留資格を持つ方が転職する際は、単に新しい会社で働き始めるだけでなく、法的な届出や業務内容の適合性を確認することが極めて重要です。主な注意点を以下に示します。

項目必要なアクション・確認内容注意点・リスク
所属機関に関する届出・離職および転職(新たな契約締結)から14日以内に出入国在留管理局へ届け出る。・怠ると20万円以下の罰金や、次回の更新時に在留期間が短縮される恐れがある。
業務内容の適合性・職務内容が「技人国」の範囲内(専門職)であり、かつ自分の学歴や職歴と関連があるかを確認する。単純労働(レジ、清掃等)は禁止されており、従事すると不法就労とみなされる可能性がある。
就労資格証明書の取得・任意だが、転職先の業務が現在の資格に適合しているか事前に入管に確認(申請)する。・義務ではないが、取得しておくと次回の更新がスムーズになり、不許可リスクを回避できる。
在留資格の変更・転職先の業務が「技人国」の範囲外(例:代表取締役就任等)の場合、勤務開始前に許可を得る。・許可を得ずに異なる種類の業務を行うと、資格外活動違反や在留資格の取消対象となる。
給与水準の確認・日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受ける契約であることを確認する。・外国人であることを理由に不当に低い報酬を設定することは認められず、審査で不許可となる。
無職期間の制限・退職後、正当な理由なく3ヶ月以上継続して在留資格に係る活動を行っていない状態を避ける。・3ヶ月以上仕事をしていない場合、在留資格の取消対象となる可能性がある。
更新手続きの準備・転職後初の更新は、転職先の決算資料等、「新規申請」に近い膨大な書類を揃えて提出する。・転職していない場合に比べ審査が厳しく、準備に時間もかかるため早めの対応が必要。

転職後のビザ更新申請

転職後の「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)の在留期間更新許可申請は、前職の時とは異なり、新しい勤務先の安定性や業務内容との関連性が「新規申請」と同レベルで厳格に審査されます。ビザ更新の許可条件と注意点を以下に示します。

項目更新許可の主な条件注意点
業務内容の該当性・従事する業務が自然科学/人文科学の専門知識を要するものであること。単純労働(レジ打ち、清掃、配送等)は認められず、従事していると不許可となる。
専攻と業務の関連性・大学や専門学校での専攻内容と、転職先での職務内容に関連性があること。・転職時に改めて審査されるため、関連性が薄いと判断されると更新できない。
報酬の妥当性・日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けていること。・外国人であることを理由に不当に低い給与設定にすることは禁じられている,。
所属機関の安定性・転職先の企業の経営状態が安定し、継続性があること。・赤字や新設会社の場合は、事業計画書等で将来の継続性を立証する必要がある。
公的義務の履行納税、年金、健康保険の支払いや、必要な届出を行っていること。・転職後14日以内の「所属機関に関する届出」を怠ると、次回の更新で不利になる恐れがある,。
在留状況の良否・犯罪歴がなく、無職期間が正当な理由なく長期(3ヶ月以上)に及んでいないこと。・正当な理由なく3ヶ月以上、本来の活動(仕事)を行っていないと在留資格取消の対象となる。

名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。

参考:技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)説明動画

ビザ申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。

技術・人文知識・国際業務ビザの学歴要件とは?

・「特定活動46号」の申請

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・”Engineer/Specialist in Humanities/International Service” Visa