「民泊」を始めるにあたり、保健所への事前相談は何を行うのか?

民泊を始めるにあたって、まず最初に確認すべき重要なポイント、それは保健所への事前相談です。なぜなら、民泊にはいくつかの営業形態があり、それぞれ必要な手続きや基準が異なるからです。

営業形態

大きく分けて、「住宅宿泊事業」と「旅館業(簡易宿所営業)」の2つがあります。
■住宅宿泊事業
これは、年間180日以内の営業を前提としたもので、住宅宿泊事業法に基づき都道府県知事への届出が必要です。
■旅館業(簡易宿所営業)
こちらは、年間180日を超える営業を行う場合に必要となる許可で、旅館業法に基づきます。

さらに、国家戦略特別区域(特区民泊)という制度もあり、これは地域限定で旅館業法の規制が緩和されたものです。地域によって条例が異なり、営業日数や許可要件も変わってくるため、事前に保健所に確認することが非常に重要です。

保健所への事前相談

では、具体的に保健所ではどのような事前相談を行うのでしょうか。

営業形態の確認

まず、どの営業形態で民泊を行うのかを明確にしましょう。住宅宿泊事業なのか、旅館業(簡易宿所営業)なのか、あるいは特区民泊なのかによって、必要な手続きや確認事項が変わります。

施設の構造と設備

居室の面積
 宿泊者一人当たりに必要な居室の床面積が定められています。例えば、住宅宿泊事業では1人あたり3.3平方メートル以上必要です。
換気、採光、照明
 適切な換気設備、採光、照明があるかを確認します。
入浴設備、洗面設備、便所
 宿泊者の需要を満たす規模の入浴設備、洗面設備、便所が設置されているかを確認します。

建築基準法と消防法

用途地域
 民泊を行う場所が、建築基準法で定められた用途地域に合致しているかを確認します。例えば、ホテルや旅館は、第一種住居地域など、限られた用途地域でしか営業できません。
消防設備
 消防法に基づいた非常用照明器具や避難経路の表示などの設置が必要です。また、建物の規模によっては、消火器や自動火災報知機の設置も必要になります。
消防法令適合通知書
 消防法令に適合していることを証明する「消防法令適合通知書」が必要になります。

衛生管理

清掃、換気
 定期的な清掃や換気を行う必要があります。
寝具
 シーツやカバーは宿泊者ごとに交換する必要があります。
感染症対策
 感染症の疑いがある場合は、保健所に通報し、消毒などの措置を講じる必要があります。

地域ごとの条例

営業日数
 条例によっては、住宅宿泊事業の営業日数が180日より短く制限されている場合があります。
構造設備基準
 地域の条例によって、構造や設備に関する基準が異なる場合があります。
周辺環境
 学校や児童福祉施設から一定距離内での営業が制限される場合があります。

マンションの場合

管理規約
 マンションで民泊を行う場合は、管理規約で民泊が禁止されていないかを確認する必要があります。
居住者との動線
 一般居住者と宿泊者の動線が混ざらないように配慮する必要がある場合があります。

その他

水質検査
 水道水以外を使用する場合は、水質検査が必要となる場合があります。
景観条例
 地域によっては、景観に関する条例で規制されている場合があります。

まとめ

これらの確認事項を事前に保健所と相談することで、民泊運営をスムーズに進めることができます。特に、旅館業(簡易宿所営業)の許可申請は、建築基準法消防法など複数の法令が絡むため、専門的な知識が必要になる場合があります。そのため、建築指導課、開発審査課、消防局、下水浄化センター、都市計画課など、関連する部署への確認も必要です。

保健所への事前相談では、施設の図面マンションの管理規約などを持参し、具体的な相談をすることで、よりスムーズな手続きが可能になります。また、営業開始後も、宿泊者名簿の作成、衛生管理の徹底など、守るべき義務があります。

名古屋の「OSAHIRO行政書士事務所」では、民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づいた届出をはじめ、様々なご相談をお受けいたします。ご不明なことがありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。