特定技能の協議会とは?|加入時期、入会方法、適合確認審査

特定技能制度における「協議会」について、概要や手続き、留意点を説明します。

特定技能協議会とは?

特定技能協議会は、出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の17に基づき、制度の適正な運用を図るために産業分野ごとに設置される組織です。特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、該当する分野の協議会への加入が法律で義務付けられています。

主な目的と活動内容

◇ 適正な受入れと保護
制度の趣旨や優良事例の周知、法令遵守の啓発。

◇ 状況把握と調整
地域別の人手不足状況の把握や、大都市圏への過度な集中の回避。

◇ 情報の共有
構成員間での課題共有や、最新の制度変更に関する情報の提供。

各分野の協議会一覧

2024年3月の閣議決定により、対象は従来の12分野から16分野に拡大されました。

分野協議会名称(または加入先)管轄省庁
介護介護分野における特定技能協議会厚生労働省
ビルクリーニングビルクリーニング分野特定技能協議会厚生労働省
工業製品製造業製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会<br>(または工業製品製造技能人材機構:JAIM)経済産業省
建設業一般社団法人建設技能人材機構 (JAC)国土交通省
造船・舶用工業造船・舶用工業分野特定技能協議会国土交通省
自動車整備自動車整備分野特定技能協議会国土交通省
航空航空分野特定技能協議会国土交通省
宿泊宿泊分野特定技能協議会観光庁
自動車運送業(新)自動車運送業分野協議会国土交通省
鉄道(新)鉄道分野協議会国土交通省
農業農業特定技能協議会農林水産省
漁業漁業特定技能協議会農林水産省
飲食料品製造業食品産業特定技能協議会農林水産省
外食業食品産業特定技能協議会農林水産省
林業(新)林業分野特定技能協議会農林水産省
木材産業(新)木材産業分野協議会林野庁

入会手続きの手順とタイミング

加入タイミングの変更

以前は「入国後4ヶ月以内」の加入で認められていましたが、令和6年(2024年)6月15日以降は、在留資格の申請時までに加入を済ませ、加入証明書等を提出することが必須となりました。

一般的な入会の流れ

◇ 申請準備
各分野の公式サイトから様式を入手、またはWEB申請システムのアカウントを取得。

◇ 書類提出
オンライン(介護、飲食、農業等)、郵送(造船、自動車整備等)、またはメール(航空等)で提出。

◇ 事務局審査
提出書類に基づき、受入れ機関としての適格性を審査。

◇ 証明書発行
承認後、「入会証明書」や「構成員資格証明書」が発行されます。

適合確認審査要領(審査のポイント)

協議会への入会審査は、実質的に「特定技能の受入れ要件を満たしているか」の事前チェックとして機能します。

◇ 産業分類の適合性
受入れ機関の事業内容が、日本標準産業分類等の対象業種に合致するか審査されます。
特に工業製品製造業では、製造品の画像や設備画像、直近1年の出荷証跡など、事業実態を確認する証拠が求められます。

◇ 業務内容の妥当性
外国人が従事する業務が認められた範囲内か、禁止業務(例:外食業での接待)を含まないか確認されます。

◇ 分野別の上乗せ基準(告示基準)

<ビルクリーニング>
知事登録を受けた営業所であること。

<工業製品製造業>
繊維工業等において、人権基準の適合や給与の月給制、勤怠管理の電子化などが確認されます。

<漁業>
漁業団体等(2号構成員)に所属し、適切な指導を受ける体制があること。

協議会加入に関する留意点

登録支援機関の加入義務

受入れ企業だけでなく、支援を委託される登録支援機関も特定の分野では協議会への加入が義務付けられています。

◇ 加入必須の分野
飲食料品製造業、外食業、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊。

◇ 任意・不要の分野
介護、ビルクリーニング、農業、漁業。
ただし、介護分野でもシステム上の代理操作のためにアカウント作成が推奨される場合があります。

費用の発生

ほとんどの分野は無料ですが、「建設分野」と「工業製品製造分野」は会費が必要です。

◇ 建設分野
年会費24万〜36万円に加え、受入れ人数に応じた受入れ負担金(月額1.25万〜2万円程度)が発生します。

◇ 工業製品製造分野
年度更新時に費用がかかる場合があります。

審査期間の確保

飲食・外食分野など、混雑している分野では加入証発行までに2〜3カ月を要するため、採用決定後速やかに申請する必要があります。

介護・外食業分野の最新の変更点

介護分野:訪問系サービスへの従事解禁

令和7年(2025年)4月より、特定技能外国人が訪問介護などの「訪問系サービス」に従事可能となりました。

◇ 追加の要件
原則1年以上の実務経験、初任者研修の修了、サービス提供責任者による同行OJT、ハラスメント対策マニュアルの作成などが求められます。

◇ 適合確認申請
訪問系サービスに従事させる場合、通常の入会とは別に、個々の外国人について「適合確認書」の発行を受ける手続きが必要です。

外食業分野:特定技能1号の受入れ一時停止

外食業分野における特定技能1号の在留者数が、5年間の受入れ見込数(上限5万人)に達する見込みとなったため、大きな制限がかかっています。

◇ 停止措置
政府は2026年4月13日より、外食業分野の特定技能1号に係る在留資格認定証明書の交付を一時停止することを決定しました。

◇ 今後の対応
停止期間中は海外からの新規呼び寄せができませんが、国内での転職者の雇用や、特定技能2号での受入れは引き続き可能です。協議会への新規加入申請自体は停止されていませんが、審査には2〜3カ月を要します。

特定技能制度は運用ルールの変更が非常に頻繁であるため、常に各協議会の最新通知を確認し、法令遵守に努めることが不可欠です

名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は外国人のビザ申請をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。

参考:特定技能ビザ説明動画

ビザ申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。

・特定技能「介護」とは?

・特定技能の外国人は転職可能?

・特定技能制度|2025年4月からの変更点

・特定技能外国人の職種変更における主な注意点

・特定技能外国人の受け入れにおける登録支援機関の役割と責任

・特定技能所属機関による協力確認書の提出とは?

・特定技能1号から2号になるには?

・特定技能「工業製品製造業」分野とは?

・製造業特定技能協議会への入会は受入れ機関に必須か?