帰化申請における日本語テストについて

日本への帰化を検討している方にとって、日本語能力重要な要件の一つです。帰化申請では、日本で生活していくために必要な日本語能力を備えているかが審査されます。本記事では、帰化申請における日本語能力判断基準やテスト内容について、具体例を交えながら説明します。

帰化申請で求められる日本語能力

帰化申請で求められる日本語能力は、一般的に小学校3年生レベル日本語能力試験(JLPT)のN4~N3レベルとされています。

具体的には、

読み書き:ひらがな、カタカナ、小学校で習う漢字を理解し、読み書きできる

会話:日常生活における基本的な会話ができ、意思疎通がスムーズにできる

理解力:簡単な文章や説明を理解し、質問に適切に答えられる

日本語能力がチェックされる場面

日本語能力は、帰化申請の様々な場面でチェックされます

法務局での事前相談

申請前に法務局の担当者と面談し、申請資格や必要書類について説明を受けます。
この際、日本語でのやり取りを通して、日本語能力が確認されます

帰化動機書

帰化を希望する理由や、日本でどのように暮らしていきたいかを自筆で記述します。
文章の内容や記述能力から、日本語の読み書き能力が判断されます。

申請書類の提出

申請書類の内容や記載事項について質問されます。
的確に回答できるかどうかがチェックされます。

面接

申請理由や家族構成、日本での生活状況などについて質問されます。
日本語での会話能力や、質問に対する理解力的確な回答ができるか等が確認されます。

これらの場面で日本語能力に疑問を持たれた場合、日本語テストを受けるよう指示されることがあります。

日本語テストの内容

日本語テストの内容は、法務局によって異なりますが、一般的には以下のような形式で行われます。

ひらがな・カタカナの変換

ひらがなをカタカナに、またはカタカナをひらがなに変換する問題。

<例>「ブルーベリージャム」→「ぶるーべりーじゃむ」

漢字の読み書き

漢字の読み方を書いたり、ひらがなを漢字に直して書いたりする問題。

<例>「雨戸( )をあける」→「あまど」、「あたらしい( )」→「新しい」

文章問題

短い文章を読んで、質問に答える問題

<例>
文章:「昨日、友達と映画を見に行きました。映画はとても面白かったです。」
質問:「昨日、何をしましたか?」
解答:「映画を見に行きました。」

口頭試問

担当官から口頭で質問を受け、日本語で答える形式。

<例>「日本に来てどれくらいですか?」、「日本の好きなところはどこですか?」

日本語能力が不十分と判断された場合

日本語能力が不十分と判断される具体的なケースとして、日常会話は問題なくても漢字の読み書きが苦手な場合などが挙げられます。これは、日本国民として選挙権を行使する際、候補者名が読めず、投票用紙に名前を書けないといった支障が生じるためです。

日本語能力が不十分と判断された場合、申請は不受理となるか、あるいは審査に進んだとしても不許可となる可能性が高いです。不許可となった場合でも、その具体的な理由は法務局から開示されません。JLPT N1合格者や日本の小中学校・4年制大学卒業者は、日本語テストが免除される場合があります。それ以外の方は、漢字ドリルなどを活用し、読み書きの対策を徹底することが推奨されます

日本語能力向上のための対策

日本語能力に不安がある場合は、早めに学習を始めることが重要です。

◇ 日本語学校:日本語学校で体系的に日本語を学ぶ。

◇ 日本語教室:地域の日本語教室で、ボランティアの先生に教えてもらう。

◇ 市販の教材:市販の教材を利用して、独学で勉強する。

◇ オンライン教材:オンラインの日本語学習サービスを利用する

まとめ

帰化申請における日本語能力は、日本で生活していく上で必要不可欠なものです。十分な日本語能力を身につけ、読み書き、会話、文章の理解ができるように準備しましょう。

参考:帰化申請の説明動画

帰化申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。

帰化の主要な要件とは何か?

日本人配偶者の帰化申請

帰化申請で必要な日本語能力とは?

帰化と永住の違い

帰化申請で過去の交通違反は考慮されるか?

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