OSAHIRO行政書士事務所
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新事業進出補助金とは?|スケジュール、公募要領、採択率向上

新事業進出補助金とは?|スケジュール、公募要領、採択率向上

中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を後押しし、生産性向上と持続的な賃上げを実現することを目的としています。

スケジュール

2026年度(令和8年度)は、第4回公募から始まります。事務局資料によると、本事業は令和8年度末までに計4回程度の公募が予定されていますが、予算状況等により追加公募の可能性も示唆されています。

公募回公募期間・時期備考
第4回2026年3月27日(金) ~ 6月19日(金) 18:00―
第5回2026年 秋頃(9月~11月頃)推定(過去の実施スパンに基づく)
第6回2027年 初頭(2月頃)推定(年度末までの事業完遂を想定)

※新規受付・採択は原則として令和8年度末(2027年3月31日)をもって終了する予定です。

公募要領のポイント

補助対象者

日本国内に本社と事業実施場所を有する中小企業者、個人事業主、特定非営利活動法人(NPO)、社会福祉法人、組合等が対象です。

◇ 従業員要件
応募申請時点で常勤従業員数が1名以上である必要があります(従業員0名の事業者は対象外)。

◇ 設立要件
新規設立・創業から1年以上経過し、最低1期分の決算書を提出できることが条件です。

◇ 対象外
みなし大企業、収益事業を行っていない法人、公的機関から運営費の大半を得ている法人などは申請できません。

補助目的

中小企業が「既存事業と異なる市場」や「より高い付加価値を持つ事業」へ挑戦することを支援し、それによる収益増加を従業員の賃上げにつなげることを主眼としています。

補助対象経費

本補助金では、「建物費」または「機械装置・システム構築費」のいずれかを必ず経費に含める必要があります。

◇ 建物費
工場・店舗の建設、改修、撤去費用(構築物費含む)。

◇ 機械装置・システム構築費
設備購入、専用ソフト開発、リース料(10万円以上のもの)。

◇ 技術導入費
知的財産権等の導入費用。

◇ 専門家経費
技術指導や助言(1日上限5万円)。

◇ 運搬費
運搬、宅配、郵送料。

◇ クラウドサービス利用費
サーバー利用料、付帯する通信料等。

◇ 外注費
加工、設計、検査等の外部委託費(補助額の10%が上限)。

◇ 知的財産権等関連経費
特許出願、認証取得費用。

◇ 広告宣伝・販売促進費
パンフレット作成、展示会出展、WEBサイト構築(売上見込の5%が上限)。

補助率・補助上限額等

補助率は原則1/2ですが、第4回公募より「地域別最低賃金引上げ特例」の適用を受ける場合は2/3に引き上げられます。

従業員数補助金額(通常)補助金額(賃上げ特例適用時)
20人以下750万円 ~ 2,500万円~ 3,000万円
21人 ~ 50人750万円 ~ 4,000万円~ 5,000万円
51人 ~ 100人750万円 ~ 5,500万円~ 7,000万円
101人以上750万円 ~ 7,000万円~ 9,000万円

◇ 賃上げ特例の条件
事業期間中に一人当たり給与支給総額を年6.0%以上増加させ、かつ事業場内最低賃金を50円以上引き上げる必要があります。

◇ 返還義務
賃上げ目標や最低賃金要件が未達の場合、補助金の全部または一部の返還が求められます。

採択率向上に向けて注力すべき点

想定採択率は15%〜20%前後と非常に狭き門であることが予想されます。
審査を通過するためには、以下の点に注力して事業計画を磨き上げる必要があります。

◇ 新事業進出要件の厳守
既存事業と異なる「製品の新規性」と「市場(顧客層)の新規性」を客観的データに基づき論理的に説明してください。単なる既存製品の改良や組み合わせは評価が低くなります。

◇ 2026年以降の賃上げ基準
2026年公募(第4回以降)では、一人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上(従来は2.5%以上)増加させることが基本要件となっています。この実現可能性を収益計画とセットで示すことが重要です。

◇ 付加価値額の成長率
3〜5年の計画期間で、付加価値額の年平均成長率を+4.0%以上とする必要があります。

◇ 市場・競合分析の徹底
自社がアプローチ可能な市場規模があるか、競合他社と比較してなぜ自社が優位(差別化)に立てるのかを、顧客ニーズに基づいて具体化してください。

◇ 加点項目の積極的な獲得
「パートナーシップ構築宣言」の公表、「くるみん」「えるぼし」認定、健康経営優良法人の認定などは審査で有利に働きます。

◇ 経営者による口頭審査対策
書面審査通過後、オンラインでの口頭審査(15分程度)が行われる場合があります。
事業計画の詳細を経営者本人が把握し、自分の言葉でビジョンを語れるようにしておくことが必須です。

2027年度以降は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ

新事業進出補助金は、ものづくり補助金と再編され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として実施されます。

新しい補助金は、中小企業等による革新的な製品・サービスの開発に加え、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出や、海外市場開拓に向けた設備投資等を支援する制度です。中小企業等の企業規模の拡大や付加価値向上を通じて生産性を高め、賃上げにつなげることを目的としています。

なお、新制度は2027年度を待たず、すでに第1回公募が2026年6月29日から開始されています。第1回の公募締切は2026年10月30日18時です。

3つの補助対象事業枠

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には、次の3つの枠が設けられています。

◇ 革新的新製品・サービス枠
自社の技術力等を活かして、顧客に新たな価値を提供する革新的な新製品・新サービスを開発する取組を支援します。
単に機械装置やシステムを導入するだけでは対象とならず、新製品・新サービスの開発を伴うことが必要です。また、同業他社ですでに相当程度普及している製品・サービスの開発も対象とはなりません。

補助上限額は従業員数に応じて750万円~2,500万円で、大幅な賃上げを行う場合は最大3,500万円です。補助率は中小企業者が1/2、小規模企業・小規模事業者等は2/3となっています。

◇ 新事業進出枠
現在の新事業進出補助金に近い位置づけとなるのが、「新事業進出枠」です。
既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出に必要となる設備投資等を支援します。
補助上限額は従業員数に応じて2,500万円~7,000万円で、大幅な賃上げを行う場合は最大9,000万円です。補助率は原則1/2となっています。
また、最低賃金引上げ特例の要件を満たす場合には、補助率が2/3に引き上げられます。
これまで新事業進出補助金の活用を検討していた事業者にとっては、今後特に確認しておきたい枠となります。

◇ グローバル枠
海外市場の開拓、特に輸出に向けた国内の輸出体制の強化に取り組む中小企業等を支援する枠です。
新制度では、国内における新製品・新サービスの開発や新事業への進出だけでなく、海外市場への展開についても支援対象として位置づけられています。

申請要件や事前準備にも注意

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、設備投資を行えば必ず補助対象となるわけではなく、付加価値額や賃金の増加など、各枠で定められた要件を満たす事業計画を策定する必要があります。また、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。さらに、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・公表も必要となります。公表手続きには1~2週間程度かかるとされているため、申請を検討する場合は早めの準備が必要です。

今後は新制度の最新情報を確認

「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、革新的新製品・サービス、新事業進出、海外展開を3つの枠で支援する制度となっています。
特に、これまで新事業進出補助金の活用を検討していた事業者は、今後の「新事業進出枠」の公募内容を確認しておくことが重要です。


なお、補助上限額、補助率、申請要件、公募期間などは、今後の公募で変更される可能性があります。申請を検討する際は、必ず最新の公募要領をご確認ください。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト

中小企業庁「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」

まとめ

新事業進出補助金は、中小企業等が既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業へ進出するための設備投資等を支援する補助金です。新たな事業への挑戦を後押しする制度ですが、申請にあたっては、新規事業の内容だけでなく、付加価値額や賃上げなどの要件を満たす事業計画を策定する必要があります。

また、補助金は採択されればすぐに受け取れるものではありません。採択後に交付申請・交付決定を経て補助事業を実施し、実績報告や確定検査を経た後に補助金が支払われるのが基本的な流れです。そのため、事業スケジュールや資金計画も含め、余裕をもって準備することが重要です。

今後、新事業進出補助金は、ものづくり補助金と再編された「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ移行していきます。新制度には「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」が設けられており、新事業への進出については「新事業進出枠」が中心となります。

補助金制度は、公募ごとに要件や補助上限額等が変更される場合があります。活用を検討する際は、最新の公募要領を確認し、自社の事業計画に合った制度・枠を選択することが大切です。

ご参考:補助金申請の説明動画

補助金申請の概要や注意点を動画でわかりやすくご紹介します。

・中小企業新事業進出補助金とは?

・小規模事業者持続化補助金とは?

・中小企業成長加速化補助金とは?

・2025年以降も使える!民泊の補助金活用ガイド

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