Airbnb(エアビー)を利用して民泊を始めたいものの、「どのような許可や届出が必要なのか」「Airbnbに登録するだけで営業できるのか」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
Airbnbは宿泊施設の予約プラットフォームですが、日本国内で宿泊事業を行うには、民泊新法の届出や旅館業法の営業許可など、営業形態に応じた行政手続きが必要です。また、Airbnbへの掲載には、届出番号・許可番号の登録や、公的書類の提出などの条件があります。
この記事では、Airbnbと民泊の違いから、必要な許可・届出、Airbnbへの掲載条件、開業までの流れをわかりやすく解説します。
Airbnb(エアビー)とは?

Airbnb(エアビーアンドビー)は、宿泊施設を提供するホストと、宿泊先を探すゲストをつなぐオンライン予約プラットフォームです。戸建住宅やマンションの一室、ゲストハウス、ホテル・旅館など、さまざまな宿泊施設が掲載されています。
ホストは施設の写真や料金、宿泊条件などを登録し、ゲストはAirbnbのサイトやアプリから宿泊先を探して予約できます。
ただし、Airbnbは宿泊予約のためのサービスであり、Airbnbに登録するだけで民泊営業が認められるわけではありません。
Airbnbと民泊の違い

Airbnbは宿泊施設を紹介・予約するためのプラットフォームであるのに対し、民泊は住宅などを活用して宿泊サービスを提供することを指します。
日本で民泊を営業する場合には、主に住宅宿泊事業法(民泊新法)、旅館業法、国家戦略特別区域法(特区民泊)などの制度が関係します。例えば、民泊新法の届出を行った住宅や、旅館業法に基づく営業許可を取得した施設をAirbnbに掲載し、宿泊者から予約を受け付けることができます。
つまり、Airbnbは宿泊者を募集する手段の一つであり、民泊を営業するための許可・届出制度とは別のものです。
Airbnbに掲載できる宿泊施設

日本国内では、主に次の制度に基づく宿泊施設をAirbnbへ掲載できます。
◇ 住宅宿泊事業法(民泊新法)
一定の要件を満たす住宅について、届出により年間180日以内で宿泊事業を行う制度です。
住宅には台所・浴室・便所・洗面設備などが必要で、居住要件も満たさなければなりません。
また、自治体の条例によって、営業できる地域や期間が制限される場合があります。
◇ 旅館業法(ホテル・旅館・簡易宿所営業)
旅館業法に基づく営業許可を取得して宿泊事業を行う方法です。
民泊新法のような年間180日の営業日数制限はありません。
ただし、用途地域、建築基準法、消防法、旅館業法令・条例などの要件を満たす必要があります。
◇ 国家戦略特別区域法(特区民泊)
国家戦略特別区域のうち、特区民泊の制度が導入されている自治体で利用できる制度です。自治体の認定を受け、条例等で定める要件を満たして宿泊事業を行います。実施できる地域が限られているため、物件所在地で制度が利用できるか確認する必要があります。
このように、Airbnbに掲載できる宿泊施設には複数の営業形態があります。
どの制度を利用するかは、物件の所在地や建物の状況、希望する営業日数などを踏まえて検討することが重要です。
Airbnbで民泊を始める手順

Airbnbで民泊を始めるには、物件の確認から行政手続き、Airbnbへの掲載まで、順番に準備を進めることが重要です。
主な流れを7つのステップで紹介します。
① 民泊の営業形態を決める
まず、民泊新法の届出、旅館業法の営業許可、特区民泊の認定など、どの制度を利用するか検討します。
民泊新法では年間180日以内の営業日数制限がありますが、旅館業法による営業にはこの制限がありません。
ただし、営業日数だけでなく、物件の用途地域や建物の構造、自治体の条例などによって、利用できる制度が異なります。
② 物件で民泊ができるか確認する
民泊新法では、台所・浴室・便所・洗面設備が備わっていることに加え、住宅宿泊事業法で定める居住要件を満たす必要があります。
また、旅館業法による営業では、用途地域や建築基準法上の用途などを確認する必要があります。
賃貸物件の場合は所有者の承諾、分譲マンションの場合は管理規約等も重要です。
物件購入や賃貸借契約の後で営業できないことが判明しないよう、契約前に確認しておくことをおすすめします。
③ 消防・安全設備を確認する
民泊では、建物の状況や営業形態によって、必要な消防設備や安全対策が異なります。
例えば、次のような設備について確認します。
◇ 自動火災報知設備
◇ 誘導灯・消火器
◇ 非常用照明器具
◇ 避難経路などの安全対策
これらの設備がすべての施設で必要になるわけではありません。
建物の種類や規模、家主の居住状況などを踏まえ、管轄の消防署や建築関係窓口等へ事前に確認することが重要です。
④ 民泊の届出・旅館業の許可申請を行う
物件の確認ができたら、営業形態に応じた行政手続きを行います。
◇ 民泊新法:住宅宿泊事業の届出
◇ 旅館業法:旅館業営業許可申請
◇ 特区民泊:自治体による認定手続き
必要書類は制度や自治体、物件の状況によって異なります。
また、民泊新法では、家主不在型など法令で定める場合に、住宅宿泊管理業者への管理業務の委託が必要となります。
⑤ Airbnbでホスト登録・リスティングを作成する
行政手続きとあわせて、Airbnbでホスト登録を行い、リスティング(宿泊施設の掲載ページ)を作成します。
主に次の情報を登録します。
◇ 物件の所在地・宿泊可能人数
◇ 寝室・ベッド数、設備・アメニティ
◇ 宿泊料金、チェックイン・チェックアウト時間
◇ ハウスルール、施設の説明文
◇ 室内・外観などの写真
施設の特徴をわかりやすく紹介するとともに、実際の設備や宿泊条件と異なる内容にならないよう注意しましょう。
⑥ 届出番号・許可番号等をAirbnbへ登録する
Airbnbでは、日本国内の宿泊施設を掲載する際、営業形態に応じた許認可情報の登録と、それを確認できる公的書類の提出が求められます。
◇ 民泊新法の場合
住宅宿泊事業の届出番号を登録し、次のような書類のいずれかをアップロードします。
・住宅宿泊事業法の標識の写し
・自治体からの届出受理メール
・民泊制度運営システムの画面
・届出番号通知書の写し
◇ 旅館業法の場合
旅館業の許可番号等を登録し、旅館業営業許可証の写しをアップロードします。
◇ 特区民泊の場合
認定番号等を登録し、特区民泊認定書の写しをアップロードします。Airbnbでは、登録された許認可情報と提出書類を照合して確認します。書類に記載された氏名・法人名・住所などと登録情報が一致していない場合、修正を求められることがあります。また、他人の許認可番号を使用したり、虚偽の書類を提出したりすることは認められていません。
なお、Airbnbへの登録方法や提出書類、掲載条件は変更される場合があります。最新の取扱いについては、Airbnb公式ヘルプページもあわせてご確認ください。
⑦ リスティングを公開して予約受付を開始する
Airbnbによる許認可情報等の確認が完了したら、リスティングを公開して予約受付を開始します。
Airbnbの公式案内では、証明書類のアップロードから公開まで約3営業日が目安とされています。ただし、書類に不備がある場合は、さらに時間がかかることがあります。
◇ 民泊新法の180日制限に注意
民泊新法では、毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの期間で、営業日数が180日以内に制限されています。
なお、Airbnb以外の予約サイトや直接予約による宿泊も、民泊新法の年間180日の営業日数制限に含まれます。また、Airbnbの宿泊日数管理機能は補助的なものであるため、自治体条例による営業期間の制限も含め、ホスト自身が適切に管理する必要があります。
◇ 営業開始後の管理にも注意
宿泊者の本人確認や宿泊者名簿の作成・保存、清掃、ごみ処理、近隣住民からの苦情対応など、適用される法令に基づいた管理が必要です。また、民泊新法では、宿泊日数や宿泊者数などについて、2か月ごとの定期報告も必要となります。
Airbnbへの掲載が完了しても、法令に基づく宿泊施設の管理は引き続き必要です。
まとめ
Airbnb(エアビー)は、宿泊施設を提供するホストと宿泊者をつなぐ予約プラットフォームです。
Airbnbで民泊を始めるには、まず物件の状況や希望する営業方法を確認し、民泊新法の届出や旅館業法の営業許可など、必要な行政手続きを行うことが重要です。また、Airbnbへの掲載には、届出番号・許可番号等の登録と公的書類の提出が求められます。
特に民泊新法では年間180日の営業日数制限があり、Airbnbでも予約泊数の管理や掲載制限が行われています。
物件購入や賃貸借契約の前に、希望する営業方法で開業できるか、必要な設備工事や行政手続きは何かを確認しておくことが大切です。
OSAHIRO行政書士事務所では、名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県を中心に、民泊新法の届出・旅館業許可申請をサポートしています。民泊新法・旅館業許可に関する豊富な申請実績を活かし、物件の状況や営業方法を確認したうえで、必要な手続きや申請の進め方をご案内します。ご依頼をご検討の方は、上記よりお問い合わせください(初回面談は無料です)。
ご参考
旅館業許可や民泊新法に関する関連記事・動画をご紹介します。
民泊・旅館業|関連記事
「OSAHIROブログ」では、民泊新法の届出や旅館業許可に関する情報を、関連記事で詳しくご紹介しています。
民泊新法の届出・手続き
・「民泊」を始めるにあたり、保健所への事前相談は何を行うのか?
・民泊新法(住宅宿泊事業法)届出の流れと必要書類を徹底解説!
消防・建築の基準と安全対策
民泊を始める前に
・「旅館業法」と「民泊新法(住宅宿泊事業法)」の違いを分かりやすく解説!
・用途地域で失敗しないために!行政書士が解説する民泊新法の注意点
旅館業許可
民泊チャンネル(動画)
YouTube「民泊チャンネル by OSAHIRO行政書士事務所」では、民泊新法や旅館業許可のポイントを動画でわかりやすくご紹介しています。
民泊新法
・「民泊」を始めるにあたり、保健所への事前相談は何を行うのか?