
近年、旅行のスタイルが多様化する中で、「Airbnb(エアビー)」と「民泊」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、この2つの言葉の違いを明確に理解している人は意外と少ないかもしれません。ここでは、それぞれの定義を明確にし、その違いを具体的に解説すると共に、Airbnbで民泊を始める要領を説明します。
Airbnbの定義

Airbnb(エアビーアンドビー)は、世界191カ国以上で利用されている民泊サービスを提供するオンラインプラットフォームです。個人が所有する部屋や家を、旅行者などの宿泊希望者に貸し出すことを仲介するサービスであり、宿泊者は「ゲスト」、運営者は「ホスト」と呼ばれます。Airbnbは、宿泊施設を貸したい人と借りたい人のニーズをマッチングさせるビジネスモデルです。
民泊の定義

一方、民泊は、個人や法人が所有する住宅の一部または全部を、宿泊施設として提供する行為を指します。民泊は特定のプラットフォームに依存せず、より広義な概念です。近年、日本では民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行され、合法的に民泊事業を運営するための規制が整備されました。
具体例で見るAirbnbと民泊の違い

例えば、あなたが東京に旅行する際、Airbnbで宿泊施設を探したとします。Airbnbのサイトやアプリには、アパートメント、一軒家、マンション、中にはユニークなツリーハウスまで、様々なタイプの宿泊施設が掲載されています。これらはすべて、民泊施設として提供されているものです。
一方、民泊はAirbnbのようなプラットフォームを介さずに、個人的なつながりや口コミで宿泊先を見つけるケースも含まれます。例えば、地方の農家民宿などがこれに該当します。
Airbnbで民泊を始める要領
Airbnbで民泊を始めるには、民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づき、都道府県知事への届出が必須です。主な要領は以下の通りです。
◇ 届出書類と確認事項
届出の際には、借家の場合は大家の承諾書、分譲マンションの場合は管理規約の提出が求められます。
◇ 年間営業日数
年間営業日数は180日以内に制限されます。毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの1年間でカウントされ、2ヶ月ごとに営業日数や宿泊者数などの報告が必要です。この日数を超えると、旅館業法違反となる可能性があります。
◇ 設備要件
台所、浴室、便所、洗面設備の設置が義務付けられています。自動火災報知設備や非常用照明器具などの消防設備の設置も必須であり、消防署からの通知書も必要です。宿泊者1人あたり3.3平方メートル以上の有効面積を確保する必要があります。
◇ 管理体制
ホストが宿泊客の滞在中ずっと不在にする「家主不在型」の場合、住宅宿泊管理業者への管理業務委託が義務付けられています。
◇ Airbnbへの掲載
届出番号をリスティングページに掲載しないと、物件が非公開になります。虚偽の届出番号を掲載すると、罰則の対象となる可能性があります。
◇ 近隣配慮と宿泊者情報
近隣住民への騒音防止やごみ処理に関する説明、苦情処理体制の整備も重要です。また、宿泊者名簿を備え付けて3年間保存し、外国人宿泊者の場合は国籍や旅券番号の記載、到着時の本人確認が義務付けられています。
◇ 保健所事前相談
物件契約前に保健所で事前相談し、施設の適合性や地域条例、消防設備などを確認し、トラブルを回避することが不可欠です。
まとめ
Airbnbは、民泊施設を探すための便利なプラットフォームであり、民泊は、多様な宿泊体験を提供する手段です。
Airbnbで民泊を始めるには、民泊新法に基づく届出(届出番号掲載必須)が必要です。年間営業日数は180日以内に制限され、超過すると罰則の対象となります。台所・浴室などの設備や消防設備の設置義務。家主不在型の場合は管理業者への委託、近隣住民への配慮も重要です。また、物件契約前に保健所での事前相談で法的適合性を確認しましょう。
動画でわかる「民泊」を始めるにあたり、保健所への事前相談は何を行うのか?
名古屋市のOSAHIRO行政書士事務所は民泊申請(民泊新法届出|旅館業許可)をサポートしています。ご依頼・ご相談などお気軽にお問い合わせください(初回面談は無料です)。
ご参考:民泊申請の説明動画
民泊申請の概要、注意点について、動画でわかりやすくご紹介します。
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