「日本人の配偶者等」から「永住者」へ

日本で国際結婚をされ、これから日本での生活をより安定させたいと考えている方にとって、「永住権」の取得は大きな目標の一つではないでしょうか。永住権を取得すると、日本に滞在できる期間が無期限になり、お仕事の内容など活動に制限がなくなるなど、様々なメリットがあります。

日本人や永住者の方と結婚している場合、永住権取得の条件に特例が適用されることがあります。今回は、その特例を中心に申請条件を説明します!

「日本人の配偶者等」ビザとは?

日本国籍の方と婚姻関係にある方が取得できる在留資格です。このビザがあれば、原則として就労制限がなく、日本人と同様に働くことができ、扶養要件も原則ありません。結婚手続きを終えている配偶者が対象で、内縁や婚約者は含まれません。偽装結婚防止のため、審査は厳しい傾向にあります。

永住権取得の原則と結婚による特例

永住権を取得するには、原則として「素行善良」「独立生計」「国益適合」の3つの条件を満たす必要があり、特に国益適合の条件として10年以上の継続在留が求められます。
しかし、日本人または永住者と結婚している方には、在留期間やその他の条件に関する特例があります!

要件原則的な永住申請者日本人・永住者の配偶者日本人・永住者の子(実子・特別養子)
在留期間10年以上継続在留
・うち5年以上就労/居住資格
・実体を伴った婚姻生活3年以上 + 引き続き日本に1年以上在留・引き続き日本に1年以上在留
素行善良要件必要原則不要原則不要
独立生計要件必要原則不要原則不要

特例の最大のポイントは、婚姻期間と日本での短い在留期間(1年以上)で申請が可能になること、そして素行善良や独立生計の要件が原則として問われないことです。婚姻期間は海外でのものも含まれます。ただし、「実体を伴う婚姻」が必要で、偽装結婚や実態のない別居は認められません。

特例でも重要!必ず満たすべき条件

永住権申請では、特例対象者でも以下の条件が重視されます。永住申請は書類審査が主で、理由書や添付書類の正確性・質が重要です。

注意点(ポイント)概要
在留期間の特例・実態ある婚姻3年以上かつ日本に継続1年以上在留で申請可能。原則10年より大幅短縮。

・海外婚姻期間も含まれます。
生計(年収)・世帯年収300万円以上目安。

・扶養1人につき+60~80万円。過去3年間の収入が審査対象。

・生活保護中は困難。
公的義務履行・税金、年金、健康保険料など滞納・遅延なく支払う。

・直近3年(年金・保険は2年)が審査対象。未納・遅延は不許可に直結します。
婚姻の実態・実際に婚姻関係、同居が原則。

・事実婚、婚約、死別・離別は不可。

・婚姻の真実性が不許可理由に多い。合理的理由(単身赴任等)があれば別居可。
継続在留・長期海外出国(90日超/回、年150日超/合計)は在留年数リセット可能性。

・やむを得ない理由(仕事等)は説明・資料添付で考慮。
現在のビザ期間・「日本人の配偶者等」ビザで3年または5年の最長期間を有すること。

・1年ビザでは申請不可。
交通違反・犯罪歴・軽微な交通違反は過去5年で5回以内なら可。

・飲酒・無免許など重大違反は不可。

・法令遵守は問われます。
身元保証人・日本人または永住者で、定職・安定収入(目安300万円以上)があり、納税している人。

・経済的賠償責任はないが道義的責任。
離婚・死別時の滞在・永住権があれば、離婚・死別後も日本に滞在可能。

・配偶者ビザの場合、他在留資格への変更が必要。早めの永住権取得を推奨。

まとめ

国際結婚されている方の永住権申請は、特例により原則より申請しやすくなっています。しかし、公的義務の履行や生計の安定性などは厳しく審査されます。永住権取得は、日本でより安定した基盤を築くための大きな一歩となるでしょう。

参考:身分系ビザ(配偶者|定住者|永住者)説明動画

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