放課後等デイサービスの指定申請とは?

放課後等デイサービスを新たに開業する場合、指定申請を出して自治体から認可を受けなければいけません。指定申請とは、これから開業する施設が児童福祉法に基づいた基準を満たしているかどうか自治体に認めてもらうための申請です。以下の4基準を満たした上で、自治体へ指定申請を提出する必要があります。

放課後等デイサービスの指定申請で満たすべき4基準

法人基準

放課後等デイサービスを開設してサービスを提供しようとする場合、事前に都道府県(または市町村)から事業を行うための指定をもらわなければなりません。

指定は、開業する方個人ではなく、開設される事業を行う会社に対して下りるので、まずは行政庁から許可をもらうための会社を作らなければなりません。法人を持っていない場合は法人から作らなければいけません。株式会社か合同会社のどちらかを選択するのが一般的で、定款の目的「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」の記載がなければなりません。

人員基準

放課後等デイサービスは、子どもたちが学校終了後に利用する場所であり、安全でサポートのある環境を提供することが求められます。そのため、適切な人員配置が非常に重要です。定められた条件を下表に示します。

職種配置人数常勤要件備考
管理者1名以上なし支障がない範囲で兼務が可能
児童発達支援管理責任者1名以上あり1人以上は専任・常勤
児童指導員
または保育士
2名以上あり・1人以上は常勤でなければならない
・子ども10人に対して2名以上配置する
・子どもが10人を超えた場合、
子どもが5人以下増えるごとに1名ずつ追加が必要
機能訓練担当職員機能訓練を行う場合なし必要な場合にのみ配置
看護職員医療ケアを必要とする場合なし必要な場合にのみ配置

設備基準

放課後等デイサービスを開業する場合、設備基準を満たす必要があります。内装工事や消防設備工事を始める前に、自治体の関係部署との事前協議(事前相談)を行う必要があります。定められた条件を下表に示します。

設備の種類要件
発達支援室
(旧訓練指導室)
•利用者がプレイルームとして過ごす場所
•自治体により子ども一人に対する床面積が異なる
(児童発達支援センター基準;子ども1人当たり2.47㎡以上の床面積)
相談室•プライバシーに配慮した相談用スペース
•相談内容が外部に漏れないようにする
事務室•事務専用のスペース
•職員や設備・備品が収容可能な広さを確保する
洗面所・トイレ•トイレと洗面所は別々に配置
•衛生面の配慮を行う

運営基準

運営基準とは、サービス提供にあたって事業所で行なうべき事項をまとめた基準です。放課後等デイサービスでは運営基準を元に事業所ごとに運営規定を定め、その概要を重要事項説明書を用いて利用者に説明しなければいけません。定められた条件を下表に示します。

運営基準要件
利用定員数•10名以上でなければならない
•施設の主な利用者が重症心身障がい児の場合は、利用定員数は5名以上となる
個別支援計画の作成子どもの発達状態や特性を十分に理解し、個々に合わせた支援計画の作成が必要です。
また、個別支援計画は学校で作成する教育支援計画との連動が求められます。
サービス内容や手続きの説明と同意設置者・管理者は利用者がサービスを円滑に利用するための説明を行い、それに対する同意を受ける必要があります。
利用者の指導・訓練等の実施子どもの発達に必要な生活習慣や自立のための訓練を行います。
協力医療機関協力医療機関を定めなければならない
秘密保持個人情報を保護する必要がある
クレーム窓口苦情やクレームを受け付ける窓口を準備する

放課後等デイサービスの指定申請の手順

STEP1.行政機関との事前相談

事業の概要が決まったら、自治体の申請窓口へ相談をしてください。一般的には3ヶ月〜半年前には申請窓口へ相談します。

STEP2.指定申請書類の提出

指定申請に必要な書類が準備できたら、自治体へ申請書類を提出します。必ず必要書類を提出する前に法人格の取得を行い、人員・設備・運営の3つに関する指定基準を正しく満たしておきましょう。指定申請書類が全て整ったら、自治体へ提出します。

STEP3.受理・審査

自治体が受理した後、審査に入ります。申請が受理されると役所側で審査を行い、不備があれば補正することになります。審査には数週間〜1ヶ月程度の期間を要します。

STEP4.現地確認

現地確認では、主に設備上の基準を満たしているかどうかをチェックします。申請時に設備体制まで完璧に構築している必要はありませんが、現地確認の時点では、開業できる状態にしなければなりません。管理者や児童発達支援管理責任者などの立会いが必要です。

STEP5.指定

申請審査に通れば、指定通知書が送付され、正式に指定を受けた事業者となります。基本的に月末~月始めに指定通知書が送付され、1日づけで自治体の広報により公示されます。

参考:放課後等デイサービスガイドライン こども家庭庁

OSAHIRO行政書士事務所のホームページ