
遺言書は、ご自身の財産を誰にどのように承継するかを定める重要な書類です。 遺言書を作成することで、相続人間の争いを防ぎ、ご自身の意思を実現することができます。ここでは、遺言書の書き方について、項目別に要点と注意点をわかりやすく解説します。
遺言書の種類
一般的に用いられる遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。
自筆証書遺言
遺言者本人が手書きで作成する遺言書。手軽に作成できる反面、形式不備で無効になるリスクや、紛失・改ざんのリスクがあります。
公正証書遺言
公証人が遺言者の意思を聴取し、作成する遺言書。公証人が作成するため、無効になる可能性が低く、原本が公証役場で保管されるため、紛失・改ざんの心配がありません。ただし、作成に費用と手間がかかります。
自筆証書遺言の書き方
自筆証書遺言を作成する場合、以下の要件を満たす必要があります。
◇ 全文、日付、氏名を自筆で書く
財産目録を除き、遺言書の全文を遺言者本人が自筆で書く必要があります。パソコンや代筆は認められません。
◇ 日付を正確に書く
「令和元年7月1日」のように、日付を特定できるように正確に記載します。
◇ 氏名を自筆で書く
戸籍上の氏名をフルネームで正確に記載します。
◇ 印鑑を押す
氏名の後に印鑑を押します。実印の使用が推奨されます。
◇ 訂正方法
訂正箇所を二重線で消し、訂正印を押し、欄外に訂正内容を記載して署名します。
遺言書の内容
遺言書に記載できる内容は、法律で定められています。主な内容は以下の通りです。
◇ 相続分の指定
法定相続分と異なる割合で相続分を指定できます。
◇ 遺産分割方法の指定
どの遺産を誰に相続させるかを指定できます。
◇ 遺言執行者の指定
遺言の内容を実現する遺言執行者を指定できます。
◇ 遺贈
法定相続人以外の人に財産を譲ることを遺贈といいます。
◇ 子の認知
非嫡出子を認知することができます。
◇ 相続人の廃除
虐待などを行った推定相続人の相続権を剥奪することができます。
付言事項
付言事項とは、遺言者の想いやメッセージを伝えるためのものです。法的な効力はありませんが、相続人への感謝の気持ちや、遺産分割の理由などを記載することで、相続人間の理解を深め、紛争を予防する効果が期待できます。
遺言書作成の注意点
◇ 遺留分
相続人には、遺留分と呼ばれる最低限の相続分が保障されています。遺留分を侵害する内容の遺言は、紛争の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
◇ 不明確な表現
「〇〇に任せる」といった不明確な表現は避け、「〇〇に相続させる」とはっきりと記載します。
◇ 財産の特定
不動産であれば登記簿謄本、預貯金であれば通帳などをもとに、財産を特定できる情報を正確に記載します。
◇ 夫婦共同遺言の禁止
夫婦が同一の遺言書に連名で遺言を作成することはできません。
◇ 加筆・訂正
遺言書の内容を加筆・訂正する場合は、法律で定められた方法で行う必要があります。
遺言書の保管
自筆証書遺言は、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管することができます。この制度を利用することで、遺言書の紛失や改ざんを防ぎ、家庭裁判所での検認手続きが不要になります。
相続の専門家への相談
遺言書は、ご自身の財産をどのように承継するかを定める重要な書類です。 遺言書の作成に不安がある場合は、相続の専門家に相談することをおすすめします。専門家は、法的なアドバイスや、遺言書の内容のチェック、公正証書遺言の作成サポートなどを行ってくれます。
まとめ
遺言書は、ご自身の意思を実現し、相続人間の争いを防ぐために有効な手段です。 遺言書の作成にあたっては、法律の要件をしっかりと守り、不明確な表現を避け、財産を特定することが重要です。 不安な場合は、相続の専門家に相談することをおすすめします。